ダイハツ新型「軽ワゴン」スライドドア車に大進化! ターボの「あり・なし」で走りが違う!? 新型「ムーヴ」の実力を試す!
ターボの「あり・なし」で走りが違う!?
後部ドアに初めてスライドドアを装着した新型「ムーヴ」2025年6月5日に発売された。
このムーヴはダイハツにとって3年ぶりの新型車ということもあり、TVCMをバンバン入れるなど気合い十分。価格(消費税込、以下同)も135万8000円からとしっかり抑えてきた。

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となると気になるのが「クルマの仕上がり」だが、軽自動車を買うユーザーの大半は、使い勝手と価格と装備とボディカラーさえ納得できれば購入に至っているようだ。
ADAS性能に代表される「クルマの仕上がり」を重視する人は多くないし、軽自動車の紹介記事も深く掘り込まない傾向がある。
新型ムーヴの運転席/助手席シートベルトは「衝突を検知して瞬時にたるみを巻き上げ、衝突後に乗員がシートベルトの圧力を受けると徐々に伸びて衝撃を吸収する安全性の高いベルト」になっているのに対し、安全基準の無い後席はコストダウンのため単なるELR式であることを書いている記事など見たことないですから。
ということで私(国沢光宏)の新型ムーヴの紹介記事は、クルマに詳しい人を対象とした内容にしたいと思う。
まず試乗と行きましょう。1台目は売れ筋になると思われるターボ無しの「X」グレードです。
149万500円で助手席側の電動スライドドアが標準で付いていて、これにメーカーオプションとなる7万1500円のスマホ連携オーディオを付ければ装備的には100%満足出来るレベル。インテリアの仕上げなんか納得行く質感です。
Dレンジをセレクトして走り出すと、東京都内の交通の流れだと少しばかりギクシャクする。普通にアクセル踏んだ時の加速感が物足りない。
かといって少し深く踏み込むと急に回転数が上がってしまい、加速しすぎる。戻すと回転数落ち、また加速不足になるため踏み込む、の繰り返し。
周囲に1台もクルマのいない地域なら全く問題ないだろうけれど、交通の流れに乗りにくい。
開発チームもそう感じたんだと思う。ハンドル右側に「PWR(パワー)」というボタンを付けている。
ここを押すと回転数が少し高くなり、周囲の交通の流れに乗れるようになるのだけれど、今度はアクセル戻しても回転数が高いままなので違和感出てしまう。
鈍感な人なら気にならないかもしれないが、ターボ無しのモデルを買おうと考えているクルマ通は、ぜひ試乗して確認して頂きたい。
それ以外は乗り心地もよく、足回りだって上手に仕上げている。ダイハツ「タント」やホンダ「N-BOX」、スズキ「スペーシア」のような軽スーパーハイト系のモデルと明らかに違う素直さがありますね。
絶対的なパワーは十分。それでいて東京都内を走って17km/L台の燃費なのだから素晴らしい(大半をパワーモードで走った)。
前述のアクセル踏んだ時の加速感さえ気にならなければ何の問題も無し。
クルマ好きならターボ車の「RS」がおすすめ!
続いてターボ車の「RS」(189万7500円)を試す。トルクに余裕あるためターボ無しのような発進時の違和感は薄くなる。
通常のアクセル開度でもターボ過給が始まった時のトルクの立ち上がりは急ながら、慣れると思う。
絶対的なパワーや加速感、高速巡航時の静粛性など考えると、クルマ好きならRSを選ぶことをすすめておく。ハンドリングや乗り心地は高いレベルで仕上がっている。
RSだとステレオカメラをセンサーとして使うアダプティブクルーズが標準装備になるため使ってみた。

N-BOXと比べた場合、少しばかり左右方向の視野が狭く、処理速度もイマイチ。全ての判定がワンテンポ遅れてしまう。
結果、先行車がいるときの車間距離は「最短」でも長め。先行車が加速した時の加速はノンビリした制御になっている。これまた交通量の多い道路環境だと厳しい感じ。
というか、新型ムーヴに対する私の期待値がN-BOXやトヨタ「ヤリス」のレベルであり、ダイハツの基準からすれば高いのかもしれない。
文頭のシートベルトにも当てはまり、N-BOXやヤリスは後席にも衝突安全基準がクリア出来る前席と同じ高機能シートベルトを付けているが、ダイハツからすれば、交通量が少ない地域なら事故の確率とコストを考えれば問題無いということなんだろう。その通りかと。
そうそう、RSはドライバーがアクセル全開で暴走した際、同乗者が電動パーキングスイッチを長引きすることで前後に油圧ブレーキ掛け、パワー落として停車する安全対策がしてある。
トヨタ車の大半はこの制御を取り入れておらず、緊急時は止められない(ホンダや日産は止まる)。
こういった安全に対する考え方や装備バラ付きは過渡期なのかもしれません。100%のクルマが出るまで数年かかるんじゃなかろうか。
