風邪予防のカギは加湿にあり!


【イラストで見る】できることはたくさんある!部屋の加湿方法

風邪予防にはよく寝てよく食べ、適度に体を動かすことが大事。そしてもう1つ、部屋や鼻・のどが乾燥しないよう、加湿することが役立ちます。

今回は、30年間風邪で休んだことがない耳鼻科医に、部屋を加湿するポイントを伝授してもらいました!

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足立光朗先生:足立耳鼻咽喉科理事長。三重大学病院勤務、四日市病院医長などを経て2010年より現職。病気の予防法や健康術の情報をYouTubeで積極的に発信中。


▶︎教えてくれたのは

足立光朗先生

足立耳鼻咽喉科理事長。三重大学病院勤務、四日市病院医長などを経て2010年より現職。病気の予防法や健康術の情報をYouTubeで積極的に発信中。

■ウイルスが長生きできない環境をつくる

「風邪には乾燥が大敵」と、30年間風邪で休んだことがない耳鼻科医の足立光朗先生。

「せきやくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むと、感染します。部屋が乾燥しているとウイルスの水分が蒸発して軽くなり、空気中に長時間浮遊。感染しやすくなります」

カギは「ウイルスが活動しにくい湿度」。

「理想は温度20〜25℃、湿度40〜60%です。逆に、湿度70%以上だと結露やカビが発生しやすくなるので、100円ショップなどで買える温湿計を置いてチェックしましょう」

■部屋を加湿するポイントをチェック!

観葉植物を置く、床や壁の水拭き、カーテンに霧吹きで水をふきかけるなど、部屋の加湿方法はいろいろ


■エアコンと加湿器で室温20〜25℃、湿度40〜60%をキープする

室温は暖房器具で、湿度は加湿器で調整。「『加湿器肺炎』が話題ですが、正しくお手入れすれば防ぐことができます。使用を控えるより加湿器を使う健康効果のほうが高いですから、積極的に使用して乾燥を防ぎましょう」

■観葉植物を置く

植物には葉から水分を放出する「蒸散」という作用があります。これにより湿度が上昇。葉が大きいほど葉の気孔も多くなるので、加湿効果は高まります。

■床や壁を水拭きする

フローリングや壁を水拭きすると、残った水分が少しずつ蒸発し、部屋を加湿できます。ほこりに付着する細菌やダニもしっかり除去できます。

■洗濯物を室内干しにする

ホテルでぬれタオルを1枚干せば乾燥を防げるように、部屋干しの加湿効果は大! 狭い部屋ならタオルや下着類など、少量でも加湿できます。

■カーテンに霧吹きで水を吹きかける

霧吹きで水を布に吹きかけると、少しずつ水分が蒸発し、部屋を加湿できます。ソファーやクッションでもOK。ぬらし過ぎるとカビが生えるので、しっとりする程度に。

加湿器を正しく使うための注意点

■水道水を使う

基本的に水道水を。水道水には塩素が含まれているので、カビや雑菌の繁殖を制御できます。

■タンクの水は毎日替える

水道水の塩素は1日で抜け雑菌が繁殖しやすくなります。水は毎日替え、その際タンクを洗います。

■フィルターを清潔に保つ

空気の吸い込み口は、掃除機などでほこりを取ります。フィルターは定期的に交換を。

■できれば部屋のまん中に置く

壁や窓の近くは結露や窓枠劣化の、電化製品の近くは故障の原因に。部屋のまん中がベスト。

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加湿器を置いていればそれでOKと油断していましたが、加湿のためにまだまだできることはたくさん。一つずつ実践していきましょう!

イラスト/一二三かおり 編集協力/及川愛子

文/さいとうあずみ