慶應義塾大学(大学HPより)

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《なんで食事支援に男女差を設けるのか意味がわからない》

【画像】批判が殺到した慶應大・ワタミ『学生の食事支援』の“差別的?”支援内容

《何この男性差別。酷いな》

《まったく意味もなく女性優遇の為の女性優遇という感じでいよいよヤバい》

ワタミと慶應大の回答は

 政界・財界、また文化・スポーツの分野においても数多くの著名人を輩出している“私学の雄”。慶應義塾大学が打ち出した学生向け『食事支援』が批判を呼んでいる。

「4月5日に慶應義塾大学は、『居食屋 和民』、また渡邉美樹氏が創業者としてよく知られている飲食大手『ワタミ株式会社』と組んで、食事を一定回数届ける食事支援を開始すると発表しました。経済的に困窮している学生も少なくありませんから、本来であれば食事支援施策は称賛されるようなものですが、その“支援対象”が不可解で……」(社会部記者)

なぜ一人暮らし支援は女子学生限定なのか?

 ワタミ株式会社と慶應義塾広報室の連名で出された食事支援についてのプレスリリースによると、支援の対象は以下となっている。

【支援1】一人暮らしを始める女子学生に向けた食の支援

【支援2】生活困窮者に向けた食の支援

「支援1にあるように、対象はまず“女子学生”に限定されています。今回の食事支援は『経済的困窮や一人暮らしにより支援が必要な学生』に対してのものとプレスリリースのタイトルに大きく謳っています。当たり前のことですが、“経済的困窮”も、“一人暮らしにより支援が必要な学生”も女子学生に限らないはずです」(前出・社会部記者)

 冒頭のように“なぜ女子学生限定なのか?”という部分で批判の声が上がっている。それらの声を見ていると男性による“男性差別”という声だけでなく、女性こそ“無意味な女性優遇”として嫌悪感を持ったという声も多数見受けられる。

「支援2は“生活困窮者”に向けた支援であり、こちらは男女どちらかに絞ったものとしていません。ただ、女子学生向けの支援1と生活困窮者向けの支援2でさらに“差”が設けてあるため、この部分も理由を見いだせません」(前出・社会部記者)

 女子学生への支援1の内容が以下となる(プレスリリースより引用)

《ミールキット「PAKU MOGU」「あっ!と ごはん」「定番おうちごはん」(2人用)を、毎月8セット分、無料で提供》

 また、以下が生活困窮者に向けた支援2の内容だ。

《「ワタミの宅食」の調理済み弁当「スマートプレート(F400、R500)」を、毎月1回1食分、無料で提供》

「女子学生に向けてはひと月16食分。対して生活困窮者にはひと月に1食というわけです。なぜここに差を設けているのか。“女性向けのマーケティング”がしたいのかと言われても仕方がない施策です。ワタミは営利企業であり、慶應は私学。むしろ“マーケティングの一環でもあります”と言ったほうが炎上しなかったのではないかとすら思います。

 ただそれも“食事を用意するのは女性だけなのか”というような別な炎上を招いたかもしれませんが……。いずれにせよ、“男女”そして“女性と生活困窮者”で差を設けた理由がリリースには一切書かれていません」(前出・社会部記者)

 今回の食事支援についてワタミの広報に問い合わせると以下の回答があった。

体のメンテナンスは、女性にとって大きな経済的負担

ーー今回の食事支援において(生活困窮者を除き)「女子学生に絞った」理由は?

「慶應義塾大学では女子学生の割合はおよそ36%とのことで、この中でも、さらに関東地区以外出身の女子学生は少ないため、進学先の1つとして考えてもらえるように支援の検討をされておりました。特に、都心での一人暮らしは、防犯や安全性の観点から女子学生の方が、男子学生より住居費等がかかるということが考慮されていると伺っております」

「また、今回の支援の対象とした新入生は、慣れない学生生活に加え、初めての一人暮らし、かつ頼れる家族も近くにいない中、特に女性においては、心理的負担が大きく、ホルモンバランスの乱れにつながり、体や心のバランスが崩れてしまうことがあります。さらに、体のメンテナンスは、女性にとって大きな経済的負担にもなり得ます。このような背景を受け、慶應義塾大学では以前から『女性のからだ支援〜Breeze プロジェクト〜』を立ち上げ、生理用品の無償配布などの取り組みを行われていました」

「そして今回、さらに生活に欠かせない『食事』での支援を追加することで、より学生や保護者の心理的・経済的不安を軽減したいと考えられていた中で、弊社といたしましても、慶應義塾大学の支援活動の中で、何かご協力できないかと検討した結果、今回の支援に至りました」(以上、ワタミ株式会社ブランド広報室)

 食事支援のいちばんの目的は(女子)学生の増。

「生活困窮者への支援は女子学生へのものと比べ、非常に少ないものとなっているが、この量の差はどのような理由によるものか?」という点も問い合わせたが、それについての回答はなかった(上記回答が“それも込み”の回答)。

 現在、今回の食事支援について批判の声が上がっていることに対しては、

「多くのご意見があることに関して真摯に受け止めております」(ワタミ株式会社ブランド広報室)

 とのことだった。

「食事支援の男女差」「女子学生と生活困窮者への支援の差」「批判の声について」。以上ワタミに対しての質問と同じものを慶應義塾広報室に問い合わせたが、回答は得られなかった。

 学生への食事支援は本来であれば称賛されるべき施策のはず。しかし、今回はあまりに“不平等”支援であったため批判を呼ぶ結果に。本施策によって、はたして慶應大学に女子学生は増えるのだろうか……。