妻「夫が亡くなりました」→日本年金機構「書類出して」→通知まで2カ月、振込までさらに2カ月…夫の死で年金激減、遺族年金が届くまでの「4カ月」で貯金がどんどん減る妻の悲劇【CFPが解説】
遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合に遺族が受け取れるもの。ですが、死亡した人の加入状況などで受給の有無が決まります。その仕組みを理解しておきましょう。本記事では、福地健氏が監修を務めた『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版』(インプレス)より、遺族年金の受給条件から申請方法、2028年4月の年金改正まで、くわしく解説します。
死亡した人が自営業なら0円、会社員なら一部を受け取れる
遺族年金は、亡くなった人の年金加入状況や遺族年金を受け取る人の状況によって異なります。ここでは65歳以上の夫婦(18歳未満の子どもはなし)のケースについて解説します。
例えば、夫が亡くなった場合、夫が自営業などで老齢基礎年金(国民年金)しか受給していないケースでは、遺族年金の受給はありません。一方で、会社員などで老齢厚生年金を受給している場合、最大で夫が受給する老齢厚生年金の4分の3を遺族厚生年金として受給できます。
共働き夫婦は想定より遺族年金が少ない可能性大
ただし、妻も老齢厚生年金を受給している場合は、その受給額分が、遺族厚生年金から差し引かれることになります。
例えば、妻の厚生年金受給額が月7万円で、遺族厚生年金額が10万5000円(夫の厚生年金受給額14万円)の場合、7万円分は差し引かれるので、実際に受け取る遺族厚生年金額は、3万5000円です。
つまり、妻も会社員としてフルタイムなどで働いていたことで、自身の厚生年金受給額が遺族厚生年金額を超える場合は、遺族厚生年金を一切受け取ることはできません。
[図表1]厚生年金受給者の場合の遺族厚生年金の仕組み 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋
遺族年金の申請方法
遺族厚生年金を受給するには「年金請求書」などの必要書類を年金事務所に提出すると、約1〜2カ月後に年金決定通知が手元に届きます。その後、受給が開始されるのは、さらに1〜2カ月後です。そのため、その期間の年金受給額が大幅に減額することになるので、日々の生活費のほとんどを年金に頼っている場合は、貯蓄などを取り崩す必要があります。
申請の際には必ず「基礎年金番号」が必要になるので、年金手帳がない場合は、年金振込通知書などで確認しましょう。
わからない場合は、年金事務所へ問い合わせると教えてくれます。申請書の提出は郵送でもできますが、手続きはやや複雑なため直接窓口に出向いて相談しながら進めることをおすすめします。
[図表2]遺族厚生年金が支給されるまでの主な流れ 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋
2028年4月改正、遺族厚生年金「5年で打ち切り」
2025年の年金改正で、60歳未満が対象の遺族厚生年金のルールが見直されました。実施されるのは2028年4月から。具体的には、これまで無期給付だった、子どものいない60歳未満の女性は、5年間の有期給付に変更されます。
逆に、給付がなかった55歳未満の男性は5年間の有期給付とされるので、男女の格差が廃止されます。
なお、有期給付の額は現在の遺族厚生年金の約1.3倍に加算され、遺族が65歳以降に受け取る老齢厚生年金に亡くなった配偶者の厚生年金記録を分割して上乗せされる仕組み(死亡分割)が取り入れられます。
[図表3]2028年4月から60歳未満の人の遺族年金が改正される! 出所:『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド2026-2027年最新版』(インプレス)より抜粋

