日テレNEWS NNN

写真拡大 (全13枚)

大阪府の路上で4日夜、刃物を持って向かってきた男に警察官が発砲し、男は死亡しました。威嚇射撃の直後に撃った2発目が左胸に命中したということです。

   ◇

警察
「包丁下ろせ! 早く下ろせ! 撃つぞ!」

怒号が飛び交った、夜の大阪・河内長野市で、5人の警察官の先には、黒いタンクトップ姿の男がいました。近くに住む無職の土屋重吉容疑者(60)です。

4日夜、警察官が、刃物を持った土屋容疑者に拳銃を発砲し、土屋容疑者は死亡しました。

ここで、いったいなにがあったのでしょうか。

■スーパーの従業員「血まみれで…」

記者
「現場はスーパーのほか、スナックがいくつか並び、住宅も近い閑静な地域です。そこで突然、男が刃物を持って歩き回り、暴れたというのです」

現場は、南海電鉄高野線・千代田駅からほど近い場所で、すぐそばにはスーパーや住宅街があります。

4日午後7時ごろ、「包丁を持った血だらけの男が、スーパーの出入り口付近で暴れている」と通報がありました。

当時、土屋容疑者の様子を目撃していた、スーパーの従業員は…

スーパーの従業員
「(土屋容疑者は)夜の7時くらいに裏のレジのところから入ってきた。牛乳を1本とってレジのところに持ってきた。血まみれで、そこら中に血が飛んでいた。買わずに出ていった。服装はタンクトップに半ズボン。包丁を持った方(の手)が血まみれ」

■「刃物を捨てろ」上空に威嚇射撃したが…

通報を受け、警察官が駆けつけると、刃物を持った土屋容疑者とにらみ合いになりました。

男性巡査部長は拳銃を向けて、「刃物を捨てろ」と警告したのち、上空に1発、威嚇射撃を行いました。

しかし、それでも土屋容疑者が向かってきたため、1発目から2秒後に、2発目を発砲し、左胸に命中したということです。

■司法解剖の結果…死因「出血性ショック」

近隣住民は、銃声を聞いていました。

銃声を聞いた住民
「パン、パンみたいなすごい音」
「バン、バン、これくらいのペース。めちゃくちゃ(音が)デカかった」

現場には救急車が到着し、担架が運ばれていきます。

土屋容疑者は公務執行妨害と銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されましたが、搬送先の病院で死亡しました。

5日夜、新たに司法解剖の結果、死因は胸を撃たれたことによる「出血性ショック」だったことがわかりました。

銃弾はろっ骨や肺に当たって体を貫通していたということです。

■容疑者の知人“腰の低い温厚な人”

土屋容疑者を知る人は…

土屋容疑者の知人
「(土屋容疑者は)何度か居酒屋で一緒に飲んだり、食べたりして、話もしたことあります。ほんまに腰の低い温厚な、誰とでも気さくにものを言えるような人だった」

今回の事件では、警察官を含めてほかにケガ人はいませんでした。

大阪府警は拳銃の使用について、「発砲の要件は満たしていると思う。適正だったと考えている」としています。

警察官の発砲…先月には熊本でも

警察官の発砲で、記憶に新しいのは、先月、熊本県合志市での事件です。

警察
「武器をおろせ! 早くおろせ!」

この時は、1発を空に向けて威嚇射撃し、3発を刃物を持った男に発砲しました。肩や太ももに命中し、男はケガをしました。

熊本県警は、男が至近距離で包丁を構えていたこと、住宅街で多くの人が帰宅する時間だったことを理由に、発砲は「適正な職務執行だった」としています。

■「適正な発砲」どのような状況か

「適正な発砲」とは、どのような状況を指すのでしょうか。

元神奈川県警捜査1課長の鳴海さんは…

元神奈川県警捜査1課長・鳴海達之さん
「こんな場合はという具体的な規定はない。犯人の逮捕・制圧の場合に抵抗をされたら撃っていい。警察官は国民の生命、身体、財産を守らなければいけない。命の危険がある場合、拳銃を使用して相手に向かって撃っていい」

では、今回の場合は…

元神奈川県警捜査1課長・鳴海達之さん
「血だらけになってる男が刃物を持って暴れている。上空に向かって威嚇射撃をしたにもかかわらず、刃物を捨てないで警察官に向かってくる。警察官自身の生命にも危険が及ぶ。危険を防ぐためには拳銃を撃つ以外の方法がない」

警察は、土屋容疑者が刃物を持っていたいきさつなどを調べています。

(8月5日放送『news zero』より)