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「赤い羽根共同募金」に沸き起こった寄付金着服疑惑。

たった一人の人物に会計管理を委ねていた…というずさんな実態が浮かび上がってきました。

善意の「浄財」を踏みにじる愚行。

その影響は計り知れません。

「約1億8千万円に上る可能性」6年にわたり多額の寄付金を着服か

(記者)「一人で金銭を管理する体制に?」

(天羽常務理事)「そうですね…」

(記者)「チェック体制が事実上ない仕組みに?」

(北海道共同募金会 瀬尾英生会長)「…。」

記者から殺到する質問に言い淀む場面も。

「赤い羽根」で道民にもなじみが深い「北海道共同募金会」の会見は耳を疑うものでした。

(北海道共同募金会 瀬尾英生会長)「この度、北海道共同募金会において多額の使途不明金が発生しております。職員による横領が疑われる事案が発生しました。使途不明金金額については調査中ですが、約1億8千万円に上る可能性があります」

赤い羽根共同募金を運営する「北海道共同募金会」。

58歳の男性事務局長が、6年にわたり多額の寄付金を着服していた可能性が浮上。

(北海道共同募金会 瀬尾英生会長)「北海道の皆さまのの赤い羽根共同募金に対する信頼と、お預かりした『浄財』を、職員の不適切な行為によって失うことになってしまったことを、大変申し訳なく思い、重ねて重ねてお詫び申し上げます」

赤い羽根共同募金の歴史は古く、戦後間もない1947年から。

「赤い羽根」がそのシンボルとして親しまれてきました。

集まったお金は利益や報酬を考えずに寄せられた「浄財」です。

募金は都道府県ごとの「共同募金会」が管理。

「北海道共同募金会」では道内193の「共同募金委員会」を通じて、障害者支援施設や福祉など地域で活動する団体に助成金として配分されます。

事務局長の人となり「職員の中では信頼を得ていた人物」

道内の障害者支援団体が困惑を打ち明けます。

(団体の経理担当者)「4月の上旬か中旬には交付額の決定通知が来るのが例年だが、ことしは連絡が来なくて」

代わりに届いたのが一通の封書です。

「精査が必要な事案が判明したことから、助成金の決定並びに交付時期を遅延させていただきます。」

この団体では助成金を新聞や会報の発行にも充てています。

障害のある人たちの活動や思いを地域に伝え、社会とのつながりを支えるかけがえのない情報発信です。

(団体の経理担当者)「外部に向けての新聞は当会としても大事」

寄付金着服疑惑発覚のきっかけ。

それは2026年2月の札幌国税局による強制調査でしたがー

(記者)「一人で金銭を管理する体制に?」

(天羽常務理事)「そうですね…」

(記者)「事務局長になる前の担当は?」

(天羽常務理事)「会計を担当していた。通帳から印鑑まで、全般の管理が(一人で)可能だったという状況。会計責任者が当該人物だということもあって、本来あるべき手続きが形骸化していたというところは否めないと思います」

さらに弁護士が詳らかにした悪質な手口。

(札幌フロンティア法律事務所 後藤雄則弁護士)「年度末に取引業者から一時的に金銭を借り入れ、決算を超えた後に返済するなどの処理がなされていた。令和5年度からは理事会の承認のない議事録を作成して、金融機関から相当額の借り入れをしていたことが確認できており、これらの行為で不足金を恣意的に補っていたと考えられる」

質問は問題の事務局長の人となりにも集中。

(記者)「どのくらいのキャリアで、内部での評価は?」

(北海道共同募金会 瀬尾英生会長)「1991年に入職しているプロパー職員。長年共同募金会の仕事に携わってきた。本人としては非常に明るいキャラで、しかもリーダーシップがあって、長いですから業務全般にも精通していたということで、職員の中では信頼を得ていた人物」

(天羽常務理事)「その通りです…」

憔悴した様子の天羽常務理事は、疑いを持たれている事務局長と苦楽を共にした間柄。

不正を防げなかったお詫びをしながら、本音もちらり。

(天羽常務理事)「第一に来るのは怒りでございます。それも私一人の怒りではなくて、非常に多くの怒りを背負ったような、マグマのような怒りを感じます」

「北海道共同募金会」をめぐる寄付金の着服は、実は今回が初めてではありません。

過去にもあった“着服”事件 その教訓はー

北海道共同募金小樽市支会で、元職員がおよそ400万円を着服する事件が発覚。

その教訓はー

(小樽市共同募金委員会 相庭孝昭会長)「印鑑と銀行印を別々のものが担当。募金等の現金の扱いも複数のものでするということで、一人のものに仕事が集中しないような形で、お互いでチェック機能を働かせることにつとめています」

またも繰り返された「ずさん」。

今回も事務局長一人に会計業務が集中し、チェック体制が機能していませんでした。

(小樽市共同募金委員会 相庭孝昭会長)「(いまだに)一人に会計を頼っていたということは、ある意味驚きを隠せない。ただ地域には依然として援助を必要としている人はいる。その方に対する支援を止めることはできない」

空知の障害者支援施設です。

赤い羽根共同募金の助成を10年以上受けてきました。

北海道共同募金会は7月7日から当初予定額の半分の支給を始めましたが、この施設にはまだ助成金は届いていません。

(施設長)「いつも来ている助成金がないというのはやっぱり不安ですよね。小さい施設では本当に大事な助成金です」

このような施設は公益的な役割を担っていますが、安定した収入源に乏しく、寄付が大事な収入源。

寄付が福祉の一部を担っているのです。

施設の職員や利用者は助成を受けるだけでなく、街頭で募金を呼びかける活動にも参加してきました。

(施設長)「小さい所でも日々の資金の動きは何人かで確認してやっていますから。大きい所でそういう体制でしていたのは本当に驚き」

純粋な「浄財」を踏みにじった「ずさんな管理」。

繰り返される愚行は許されるものではありません。