巨額の国民負担が生じる可能性も…悪あがきする経産省の「クールジャパン機構」お取り潰しにするべき「これだけの理由」

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経済産業省所管の官民ファンド「クールジャパン機構」(CJ機構)が存亡の危機に直面している。140億円を投資したバイオ繊維ベンチャー「スパイバー」が事実上経営破綻したことで、出資金全額が焦げ付く見込みとなっているからだ。

スパイバーはソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長の長女である川名麻耶氏が代表を務める企業に50億円で譲渡され、再建を目指す。「孫ブランド」の威光は絶大で、有力企業12社が戦略パートナーとなるなど、上々の船出となった。

孫氏も来年に古希(70歳)を迎える。そのため、SBG内からは「スパイバーの再建をテコに、麻耶さんを孫さんの後継者に」と期待する声も上がる。

前編記事『成功すれば孫正義の後継者に?経産省の筋悪ファンド「クールジャパン機構」の140億円投資が焦げ付いたユニコーン企業を「孫の長女」は救えるか』より続く。

財務省幹部は「即刻アウト」

そんな孫親子のセレブな話題とは対照的に、貧乏くじを引いたのがCJ機構だ。川名氏をトップとする新社へ事業譲渡したことに伴い、最大規模の投資先だった旧スパイバーは特別清算されることになったからだ。出資した140億円は全損となる見通しだ。

政府は2018年、官民ファンドの存廃を決めるルールを策定した。投資成績が悪いファンドについて、運用改善計画を提出させ、各年度の累積損益が計画を3度下回った場合、「廃止」または「統合」を検討することになっている。

CJ機構はこれまでに2度、累積損益の実績が計画を下回っており、三度計画未達となれば存廃ルールに抵触する。

政府に提出した計画では26年3月期の累積損失を前年同期比43億円増の426億円と見積もっていた。だが、スパイバーの破綻で140億円もの損失が新たに追加されれば、累損は500億円を大きく超え、「即刻アウト」(財務省幹部)の状態となる。

廃止となった場合は……

民間事業者と組んだアニメの配信事業や、日本文化の発信基地をうたったマレーシアでの百貨店事業など相次ぐ投資の失敗で損失を膨らませてきただけに、店じまいを迫られるのは自業自得だろう。

問題は投資の元手である財政投融資資金が回収できなくなり、多額の国民負担が生じる恐れがあることだ。

官民ファンドとうたっているが、CJ機構の出資の内訳は、政府(財政投融資)が1400億円超を拠出するのに対し、民間は107億円にとどまる。廃止となった場合、出資割合に応じて累損を穴埋めすることになる。そうなれば、財政投融資の毀損という形で数百億円規模の負担が国民にしわ寄せされかねない。

世論の批判を恐れる経産省は、「世界への日本文化の売り込みを支援するファンド機能は必要」などと理屈をこね、水面下で他の官民ファンドへの統合を探っている。国民負担が即座に表面化する廃止だけは何とか免れたいとの思いなのだろう。

経産省幹部の甘い考え

だが、官民ファンドは基本的に霞が関各省庁に紐づいた縦割り体制となっている。このため、他省庁からは「経産省の尻拭いをさせられる筋合いはない」などと反発する声が早くも漏れている。

経産省が所管する他の官民ファンドですら「巨額の累損を押し付けられてはたまらない」(産業革新投資機構関係者)などと拒否感を示しており、CJ機構が廃止に追い込まれる可能性は高まっている。

「韓国はKポップや韓流ドラマを世界に発信する文化戦略で国家や自国企業のブランドイメージも高めた。日本がやればもっと上手く行くはずだ」。CJ機構を立ち上げた当初、経産省幹部はそう豪語していた。

そんな甘い考えで公的マネーを野放図に投じた挙げ句、損失の山を築いたのが「クールジャパン」の実態である。経産省は責任逃れに汲々とするのではなく、失策を素直に認めて、CJ機構をお取り潰しにすべきだろう。

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