新総裁誕生で株価上昇は加速している

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 ハイテク株にも資金流入

 日本でも株高が続いていますが、その要因はまず、需給が好転していることです。特に海外投資家が日本株を積極的に買ってきています。

 今の株高を私は上昇第2波と見ています。第1波は2023年4月から24年3月まででした。この時はバリュー株、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業の底上げが中心でした。

 24年3月に一番天井、7月に二番天井を付け、3万5000円から4万円の間での揉み合いが続いていましたが、25年7月22日に4万円の壁を突破、上昇第2波が始まりました。このきっかけは、トランプ大統領による相互関税が15%に引き下げられたことです。

 ただ、24年7月11日の高値(天井)の4万2426円がなかなか奪回できていなかったところ、8月の連休明けに突破しました。これはその前の週に発表された日本のGDP(国内総生産)の速報値が、一般のアナリスト予想を上回る数字で、日本の景気に対する期待感が出てきたからです。

 これを評価したのが海外投資家で、この買いが日経平均を大きく押し上げました。

 その海外投資家が主に買ったのが半導体関連銘柄やグロース銘柄でした。第1波はバリュー株の押し上げだけだったものが、今の第2波はグロースも加わっているのです。その分、第1波よりも上昇スピードが速くなっています。

 グロース株の1つのシンボルはソフトバンクグループ(東証PRM 9984)ですが、それ以外にレーザーテック(東証PRM 6920)、東京エレクトロン(東証PRM 8035)、アドバンテスト(東証PRM 6857)といった半導体関連やIT関連の株を海外投資家が買い、日経平均が上昇しました。

 これによって、極めて短期間のうちに日経平均は4万5000円から5万円というゾーンに入ろうとしています。ただ、4万5000円の壁を完全に突破したかについては、見極めが必要です。それは、4万5000円近辺が天井だと見る人が、市場には多いからです。

 直近に東京証券取引所が発表した空売りの信用残高は6年ぶりに史上最高を更新しています。

 4万5000円の壁止まりなのか、4万5000円から5万円というゾーンに入っていくのかという攻防の分岐点となっており今後、今期の第3四半期、第4四半期の企業業績などで勝敗が決することになります。

 もし、壁を突破できなければ、再び揉み合いが続きます。突破すると、早ければ年末年始にも5万円をうかがうような大相場の可能性があります。

 今の株高の投資家の背景の1つとして、海外投資家も、自民党総裁選を「買い」と見ていることが挙げられます。誰が総裁、そして新首相となっても、政界が刷新され、景気対策、成長政策を打ち出されると予想されているからです。

 もう1つはFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げです。これにより米国のハイテク株は上昇し、それに連動して日本の株も上がりました。日本銀行によるETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)の売却すら織り込んだのです。

 ただ、これらの材料は総裁選の10月4日以降もプラスに働くかは不透明です。自民党の新たなリーダーが期待外れの可能性もありますし、FRBのパウエル議長は「雇用の下振れ、インフレの上振れ」を懸念しており、今後も利下げを続けることができないといった主旨の発言をしています。

 利下げを織り込む株高があったわけですが、次は利下げがないかもしれないという見方が出てきています。ですから、10月4日の総裁選が終わった後と、次のFOMC(米連邦公開市場委員会)が行われる10月28日、29日の後、日本の株が下げる可能性もあります。