グェン・トラン・フォク・アン 「甲子園1年生で鮮烈デビューから再び甲子園に舞い戻るまで」

高校野球ファンなら記憶に残る選手の1人、元東洋大姫路高校・グェン・トラン・フォク・アン選手が、自身の甲子園デビューからエース、キャプテンを経験した波乱万丈な野球人生を振り返る第二弾。

初めて甲子園のグラウンドに足を踏み入れた瞬間、「めちゃくちゃ広いし、地元っていうのもあるから、お客さんも全然違うし、人に圧倒された」と語るアンさん。
甲子園デビューの岐阜三田戦では、1年生ながら先発を任され、「5回ぐらい投げて2点取られたのかな。自分の中ではダメですけどね。やっぱゼロに抑えないと」と当時の悔しさも赤裸々に明かした。

勝ち進む中の3回戦、寺原隼人擁する強豪・日南学園に完敗し、
「ボロ負けですね。15対0ぐらい。めちゃくちゃ泣いた記憶しかない」と敗戦のショックと、
可愛がってくれた3年生と野球ができなくなる寂しさから号泣したことを振り返る。

「天狗になってたつもりはないんですけど、今振り返ると“天狗だったんじゃないか”って言われるのかな」と人気と注目される中での本音を語った。

自分たちの代ではキャプテンに就任。
「ピッチャーはキャプテンはないと思ってたから、名前を呼ばれてびっくりした。」と選出された当時の心境を明かし、
「自分だけ経験してるから同級生の子たちも甲子園でプレーしたいなっていう意識にはなりました」とチームの結束を意識したという。

一時は調子を落としたが、3年生となり「基本兵庫県内では負けないって思ってました」と圧倒的自信で、県大会では「ノーヒットノーラン」も達成した。
「2点ぐらい取ってくれれば抑えられるかな、勝てるからって周りにも言ってた」と勝負強さも口にした。

近畿大会では智弁和歌山にコールド負けで「選抜やばいんじゃねえか」と危機感を感じつつも、選抜出場を決める。

選抜初戦から岡山城東、鳴門工業を次々撃破。
鳴門工業戦では「1安打で完封15奪三振、めちゃくちゃ良かったですね」と自身の出来をアピール。
「3年生になって景色は全然違った。全く緊張しなかったです。余裕持ってやれた」と精神的成長を語った。

「とりあえず一戦一戦してやって勝つ、そういう気持ちでやっていました」と話し、
甲子園という大舞台から得た“自信”と“人の重圧”、一度手にした栄光から再び這い上がる苦労を等身大で伝えた。

そして、伝説の試合として今でも語り継がれる花咲徳栄戦につながっていく…