中国発のECアプリ「ピンドゥオドゥオ(拼多多/Pinduoduo)」を運用するeコマース企業が所有するオンラインショッピングサイト「テム(Temu)」が、米国へのさらなる進出を試みている。昨年9月、大幅な割引と非常に低い価格を売り物とするアプリという位置づけで米国に進出したこのeコマースプラットフォームは、より多くのアメリカ人が自社ウェブサイトを訪問し、アプリをダウンロードしてもらうために、積極的なマーケティングキャンペーンを開始した。テムは最近、2月12日のスーパーボウル(Super Bowl)で、米国内ではじめてのスポット広告を放映した。この30秒間の広告はサーチアンドサーチ(Saatchi & Saatchi)が制作し、ロバート・ジッツマーク氏が監督したもので、試合中に2回流れ、約1400万ドル(約18億9000万円)を要したとされている。このテムの広告は「億万長者のように買い物しよう(Shop like a Billionaire)」というキャッチコピーがつけられ、この広告によってダウンロード数と毎日のアクティブユーザー数が即座に増加した。センサータワー(Sensor Tower)のデータによると、スーパーボウル当日、テムのダウンロード数は、前の日と比べて45%も急増し、1日のアクティブユーザー数も約20%増加した。それ以来、テムのダウンロード数は増加し続け、2月の初頭にはターゲット(Target)のような米国の大手小売企業のペースをもしのいだ。テムはメールの声明で、TV広告の測定企業であるイーディーオー・インコーポレーテッド(EDO Inc.)からの調査結果によれば、この広告は、中央値よりも10倍優れたパフォーマンスを示したと述べている。「テムのマーケットプレイスへの訪問者数と、アプリのダウンロード数のどちらも、試合中と試合後の両方で大幅に増加し、関心は高まったままになっている」と、同社は記載している。スーパーボウルで放映されたテムの広告
テムの戦略は、中国のライバル企業であるシーイン(Shein)の海外進出戦略とよく似ている。パンデミックのあいだにシーインは米国に全力を投入することを決定し、2021年にマーケティングを推進するために膨大な労力を費やした。同ブランドの広告は概して、米モダンリテールが以前に報じたような野心的なコンテンツよりも、特定のセール、商品、クーポンへのリンクを含む具体的なCTA(行動喚起)だ。同社はこの方法で、2021年にもっとも多くダウンロードされたショッピングアプリになり、現在ではオンラインのファストファッションの有力な競合とみなされている。テムと同様に、シーインもマーケティング戦略や低価格のトレンドの商品を、より幅広いオーディエンス層を対象に打ち出している。目覚ましい成長にもかかわらず、テムはいまだ独自の商品を提供するブランドとしての地位を確立していないと、カジウケナス氏は語る。「同社が現在のようにユーザーを獲得できたのは、ひとえに積極的なマーケティングのおかけだ。同社はいまだ、独自の商品セレクションや、独自のカスタマーエクスペリエンスを提供するブランドとして自社を確立していない。現在のところ、同社のアプリはごくありふれたものだが、これを基盤としてさらに高度なものを構築し続けるだろう」と、同氏は述べている。「今のところ、テム、アリエクスプレス(Ali Express)、ウイッシュ(Wish)の価値提案は中国で、今日の小売業では十分ではなく、もっと努力する必要がある」と、同氏は述べている。[原文:After a successful Super Bowl ad, Temu’s growth is outpacing rivals like Target] Vidhi Choudhary(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)Image via Temu/Youtube