なぜ“恐怖の鬼ごっこ”に…?「殺されるかと思った」槙野は勝者の余裕「乱闘は恥ずかしい」
後味は最悪だった。試合後を含め、両チーム合わせてレッドカード3枚、イエローカード8枚。延長後半から一部選手が激高し、前代未聞の乱闘劇となった。血相を変えた済州の選手たちに次々と追い回されたDF槙野智章は「逃げました」と全速力でピッチを後にし、ロッカールームに逃げ込んだ。
延長後半9分にDF森脇良太が値千金の決勝ゴールを決めた直後、槙野のガッツポーズに敵軍は怒り心頭。“恐怖の鬼ごっこ”が勃発した理由を聞かれると「分かんないっす。殺されるかと思った、マジで」と恐々。「そりゃガッツポーズするでしょ。みんなでガッツポーズしたから、それが気に障ったんじゃないですか」。槙野本人は済州ベンチに向けてポーズをしたのではなく、サポーターに喜びを示したと主張した。
90分間でアウェーゴールを与えず、2ゴールを奪って延長戦に持ち込むミッションをクリアし、森脇のゴールで2試合合計3-2と大逆転。2008年以来、9シーズンぶりとなるベスト8入りを果たした。「向こうは結果でもサッカーでも負けて、最後は乱闘になった。うちらはうまく逃げてかわした」と胸を張った。
試合中には驚愕の“蛮行”もあった。ビブスを着たDFペク・ドンギュがベンチを飛び出し、ピッチに乱入。猛ダッシュでピッチを横断してMF阿部勇樹に飛び掛かり、ひじ打ちを食らわせた。この場面には「ビブスを着た選手がエルボーをするなんて、サッカーをやってきて初めて見た。考えられない。サッカーをしにきたはずだけど、相手はプロレスや空手を…」と首をひねり、「乱闘は恥ずかしいですね」と勝者の余裕を漂わせた。
(取材・文 佐藤亜希子)
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