「ウイスキーボンボンで食べただけ」の言い訳はアリ?(画像はイメージ、ヨシヒロ/PIXTA)

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アルコール含有食品で呼気中のアルコール濃度はどうなる? 過去には実証実験も

 福岡県警は2026年7月23日、福岡県内の道路で酒に酔った状態でクルマを運転したとして、北九州市に住むアルバイトの19歳の女を道路交通法違反(酒酔い運転)の疑いで逮捕しました。

 逮捕された女は7月23日の午前3時40分頃、福岡県飯塚市の国道200号で酒酔い運転をした疑いが持たれています。

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 当時、パトロール中の警察官が片方のヘッドライトがついていない軽乗用車を発見し停止させました。クルマを運転していた女の呼気を調べたところ、呼気1リットルあたり0.5ミリグラムを超えるアルコールが検出されたため、酒酔い運転で現行犯逮捕したということです。

 この「酒酔い運転」をめぐっては、改正道路交通法が7月21日から施行されたことにより、適用範囲が以前より広がっています。

 法改正以前は、運転手が「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれのある状態」と認められれば酒酔い運転と判断されていました。具体的にはアルコールの影響でろれつが回らずうまく会話の受け答えができなかったり、真っ直ぐに歩けなかったりと、いわゆる酩酊状態のときです。

 法改正後は、そのような酩酊状態のときに限らず、「呼気1リットルあたり0.5ミリグラム以上のアルコール」が検出された場合も酒酔い運転の摘発対象となります。

 なお、酒酔い運転に数値基準が新設される法改正がおこなわれて以降、酒酔い運転による逮捕は県内で初めての事例ということです。

 逮捕された女は警察の調べに対し、「お酒は飲んでいない。ウイスキーボンボンを10個以上食べたので、アルコールが出たと思う」などと供述し、容疑を否認しています。

 今回の事案に対してインターネット上では、「基準値超えって相当な量のアルコールを摂取しないと出ない。とんでもない量のウイスキーボンボンを食べたことになる」「まだ飲酒出来ない年齢にも関わらず、ウイスキーボンボンとか言い逃れする姿勢には呆れます」など、逮捕された女の供述について懐疑的な声が多く寄せられています。

 さらに「過去に奈良漬けを丸々一本食べただけと苦しい言い訳をした人がいたけど、被験者に同じ実験して有罪になったケースもあります。そもそもウイスキーボンボンにはしっかり注意書きもしてある」といった意見も聞かれました。

 実は2006年度には警察庁が、アルコールが運転に与える影響を確認するため、「アルコール含有食品に関する調査」をおこない、「アルコール含有食品のアルコール成分含有率の調査」「アルコール含有食品を摂取した場合の呼気アルコール濃度の調査」「アルコール含有食品を摂取した場合の運転シミュレーター実験」について調べました。

 その結果、「奈良漬け、粕汁、ウイスキーボンボンについて、通常想定される量を摂取した場合のアルコール量は、缶ビール1缶分をはるかに下回る量である」と結論付けられました。

 加えて、これらのアルコール含有食品を摂取した20分後の呼気アルコール濃度については検知器で検出されなかったほか、運転シミュレーター実験でも、アルコール含有食品を摂取した場合とそうでない場合の大きな違いは見られなかったということです。

 また2009年には、飲酒運転の罪に問われていた男が「酒は飲んでいないが、こぶし大の奈良漬けを食べたために飲酒運転と判断された」と裁判で主張し、それに対して山梨県警甲府署の署員が、実際に奈良漬けを食べる実証実験をおこなっています。

 この実験では署員5人が、男が主張するよりも若干大きいサイズの奈良漬け(約100グラム)を試食した後に呼気を検査しましたが、アルコール分は検出されませんでした。

 これらを踏まえると、「ウイスキーボンボンや奈良漬けを摂取したからアルコールが検出された」という主張は通用しないといえるでしょう。

 ただしアルコールが検出される可能性が低いといっても、これら食品にはアルコールが含まれているため、摂取後にクルマなどの運転をすべきではないことは言うまでもありません。

※ ※ ※

 飲酒運転は呼気中のアルコール濃度などに応じて、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に分類され、酒酔い運転の方がより重い罰則を科されます。

 法改正以前は、呼気中のアルコール濃度が高くても酩酊状態でなければ酒酔い運転で検挙できないケースもたびたびみられました。今回の法改正で明確な数値基準が定められたことにより、酒酔い運転で摘発されるケースが増加すると見込まれます。