中国シルバー消費に新たな可能性 「質の高い老後」を追求

【新華社ハルビン8月3日】中国黒竜江省ハルビン市で1日開かれた2026企業家太陽島年次総会の「シルバー経済の質の高い発展とウエルネス産業の共創」フォーラムで、同省の董濮(とう・ぼく)民政庁長は「1960年代生まれの新世代の高齢者が消費の主力となり、質の高い老後生活や積極的な健康管理、精神的充実など多様なニーズが次々に生まれる」と中国のシルバー消費の新たな変化を総括した。
高齢者向けの製品やサービスを含む経済活動を指すシルバー経済は中国で「銀髪経済」と呼ばれ、ここ数年で急速に成長している。教育水準が比較的高く、より開放的な消費観念を持つ年齢層が定年を迎えたことで、介護ニーズも基本ケアから健康管理、文化体験、余暇の交流、自己啓発へと拡大している。
生活情報サイト大手、58同城(58ドットコム)の郭義(かく・ぎ)高級副総裁は「高齢者の関心はこれまで、施設やベッドがあるかどうかだったが、今は必要な時に満足いくサービスを迅速に受けられるかにより関心を持っている」と指摘。診察の付き添い、住宅の修繕やシニア向けリフォーム、リハビリケア、家事などは一見些細に思われるが実際は緊急性が高いとし、質が高く、信頼できるサービスを高齢者が探しやすくすることがプラットフォーム企業の新たなビジネスチャンスになっていると語った。

基本ケアのニーズが満たされたことで、より多くの時間とお金を旅行や交流などの体験型消費に投じる高齢者が増えている。旅行大手の中国旅遊集団傘下、中国旅遊集団旅行服務の最高戦略責任者(CSO)で、同集団シニア向けブランド「中旅好時光」運営会社の董事長を務める張建斌(ちょう・けんひん)氏は、多くの高齢者が定年後の充実した生活を望んでおり、ウエルネスや文化交流、季節によって生活拠点を変える「渡り鳥方式」滞在がシルバー層の文化・観光の重要なニーズになりつつあると紹介した。
体験感や精神生活の重視はシニア向け遊学市場の人気を後押ししている。語学学校を世界展開するEFエデュケーション・ファーストによると、同社の成人向け海外留学プログラム参加者に占める46歳以上の割合は19年の6%から25年の28%に増加。こうしたニーズを受け、一部の教育機関は芸術や語学、文化をテーマにした短期留学プログラムを打ち出し、趣味の学習や文化への没入、生活体験をさらに強調している。
基本的な介護ニーズの充足からより活力に満ちた質の高い老後生活の追求まで、中国の高齢者は消費領域を絶えず広げ、シルバー経済に新たな発展の可能性をもたらしている。(記者/沈易瑾)
