北朝鮮の公開裁判(デイリーNK)

写真拡大

北朝鮮の東海岸・清津市で今月中旬、十代の若者3人が「韓国式の言葉遣いをした」として当局に連行された。デイリーNKの現地消息筋によると、3人は厳重注意を受けただけで済み、司法処理(逮捕・起訴)はされなかったというから不幸中の幸いと言うべきだろう。

場合によっては長期の労働教化刑(懲役)もあり得るし、家族が道連れにされるケースも少なくない。

首都・平壌の恩情(ウンジョン)区域に住んでいたある若者は、15年の労働教化刑を受けた。韓流ドラマのビデオを「友達に売った」罪に対するものだ。韓流を取り締まる「反動思想文化排撃法」では、単純所持や視聴より頒布・流通が重大視される。だが、周囲の人々はこの判決に驚いたという。逮捕された当時、若者は17歳の未成年だったからだ。

さらには国営銀行内の党組織で幹部の座にあった父親も解任され、姿を消したという。

公開裁判で父親は「家庭革命化の失敗」――つまりしつけがなっていなかったと謝罪し、さらにはその上司も、許しを請う発言をした。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

北朝鮮で政治犯には連座制が適用されるため、本人が教化所(刑務所)または管理所(政治犯収容所)送りになるだけでは済まされず、その家族や関係者も重い処罰を受けることになる。それだけは勘弁して欲しいと頭を下げたということだ。

しかし、当局はまったく聞く耳を持たなかった。環境が劣悪な北朝鮮の刑務所で生き延びるには、家族の支援が欠かせない。しかし、家族全員が連座制により「罪人」となれば、最後の希望まで消えてしまうのである。