10日、中国・海南省の宇宙発射場から、長征10号キャリアロケットが打ち上げられた/Ding Yi/VCG/Getty Images

北京(CNN)中国はキャリアロケット(運搬ロケット)の軌道投入試験において、ロケットの1段目を回収することに成功した。国営メディアが10日に報じた。再使用型ロケットの技術で米国の競合に追いつこうとする中国にとって大きな前進となる。

中国の「長征10号B」ロケットは10日、南部の海南島から打ち上げられた。1段目と上段が分離してから約6分後、1段目のブースターが洋上の浮体プラットフォームへ帰還したと、国営放送の中国中央電視台(CCTV)が伝えた。

CCTV系列のソーシャルメディアアカウントが投稿した映像では、ブースターが上部から煙を上げながら、垂直に降下してプラットフォームへ着陸する様子が確認できる。

今回の試験成功により、中国は米国企業が持つ再使用型ロケット能力に一歩近づいた。この技術は、宇宙探査や宇宙旅行だけでなく、重要な衛星インフラの構築においても鍵を握ると考えられている。

ロケット開発を担う中国航天科技集団はソーシャルメディアへの投稿で、「今回の任務は中国の再使用型ロケット技術における歴史的な突破口を意味し、中国の宇宙へのアクセス能力向上を加速させるための確固たる基盤を築いた」と述べた。

また、このミッションでは衛星の軌道投入にも成功したと国営メディアは伝えている。

中国政府は「宇宙強国」としての地位確立を目指しており、国家の宇宙開発資産だけでなく、商業宇宙産業も活性化させ、世界の競合と競争している。

再使用技術の開発は、ロケット打ち上げのコストと再打ち上げまでの時間を大幅に削減できる。また、宇宙が地上の軍事力や防衛能力と結び付いた領域となりつつある中で、各国に戦略的優位性をもたらす可能性もある。

再使用型ロケットは、イーロン・マスク氏率いるスペースXの成功を支える中核技術。同社は約10年前にロケットブースターを着陸・再利用する技術を確立し、現在では世界の打ち上げ市場を支配している。

国有の中国航天科技集団の子会社が設計・製造する長征10シリーズは、中国が有人月面探査ミッションを実現するという目標にとっても極めて重要な存在となっている。