頼れる「日本の主将」DF元砂晏翔仁ウデンバが貴重な先制弾。クールな“鹿島流”メンタルも光る
[5.9 U17アジア杯GL第2節 日本 2-1 中国 ジェッダ]
「アントニー(DF元砂晏翔仁ウデンバ)があんな風に点を取ったのを初めてみた。“ドン!”ってキャプテンが決めてくれて、みんなが“グッ!”とエネルギーが出るような感じがあった。すごく大きな点だった」
U-17日本代表・小野信義監督は5月9日に行われたAFC U17アジアカップ第2戦の先制弾を、そんな言葉で振り返った。
グループ最強と想定していたU-17中国代表を向こうに回したこの試合、前半の内容はそこまで良かったわけではない。ただ、キャプテンマークを預かる元砂は、ある種の余裕も持っていた。
「中国はボールを持ってくるし、ボールを持つ力があるチームだと思っていた。自分の中では、変に(前へ)行って失点とかして勝ち点0になるより、勝ち点1でも取れる方がいいかなと思っていた」(元砂)
勝点0でこの試合に臨んだ中国と、勝点3を持ってこの試合に臨む日本の間では心理面での優劣がある。初先発の選手たちがその余裕を持つのはさすがに難しかったが、昨年の世界大会8強も知る主将は、余裕を持ちながらプレーしていた。
そして迎えた前半37分、試合の流れを大きく動かす1点を奪い取ったのもこのキャプテンだった。MF里見汰福(神戸U-18)がCKを蹴り込もうとしたとき、実のところ元砂は「相手にめっちゃ(ユニフォームを)掴まれてしまって(自分のいるべきポジションに)入れなかった」という状態にあった。ただ、「こぼれ球に対して相手より早く予測して反応できた」と言うように、競り合った末のセカンドボールへ反応。右足ボレーで「しっかりミートできた」シュートで見事な得点へと繋げてみせた。
そして、この試合のもう一つのキーポイントとなったのは後半開始早々に浴びた同点弾。MF和田武士(浦和)が中盤でボールを奪われたとき、「絶対にファウルだと思って足を止めてしまった」(元砂)隙も突かれる形で失点。「チームが苦しくなる隙を自分で見せてしまった」という悔いの残る場面だったが、頭はすぐに切り替えた。
「もう1点は絶対やらせない、『連続(失点)は絶対なしで』ということを話していました。チャンスは絶対来ると思っていたので、まず『もう1失点はなしだぞ』というのを強調した」
ついつい焦って前に出て行きたくなる流れだが、まずは試合を落ち着けること、隙を作らないことを徹底。そもそも「勝点1でも悪くない」という前提をしっかり持っているからこその冷静な判断だった。
同じく2試合連続で先発となったMF岡本新大(G大阪ユース)は、元砂について「キャプテンシーがあるし、リーダーシップがある。日常生活はあんまり喋らないし、明るいタイプではないけど、ピッチに入ったら全員をまとめてくれるし、声を出して体を張ってくれる素晴らしキャプテン」と形容する。国際経験の浅い選手の多いチームが動揺することなく戦えているのは、やはり元砂の存在が大きかったのだろう。
その後はMF北原槙(FC東京)が決勝点を奪い、チームは逃げ切りモードへシフト。「リトリートもしながらしっかり守備をする」(元砂)と割り切る部分は割り切って、「チームとしてめっちゃデカイ」と胸を張る連勝を掴み取ってみせた。
(取材・文 川端暁彦)
「アントニー(DF元砂晏翔仁ウデンバ)があんな風に点を取ったのを初めてみた。“ドン!”ってキャプテンが決めてくれて、みんなが“グッ!”とエネルギーが出るような感じがあった。すごく大きな点だった」
U-17日本代表・小野信義監督は5月9日に行われたAFC U17アジアカップ第2戦の先制弾を、そんな言葉で振り返った。
グループ最強と想定していたU-17中国代表を向こうに回したこの試合、前半の内容はそこまで良かったわけではない。ただ、キャプテンマークを預かる元砂は、ある種の余裕も持っていた。
勝点0でこの試合に臨んだ中国と、勝点3を持ってこの試合に臨む日本の間では心理面での優劣がある。初先発の選手たちがその余裕を持つのはさすがに難しかったが、昨年の世界大会8強も知る主将は、余裕を持ちながらプレーしていた。
そして迎えた前半37分、試合の流れを大きく動かす1点を奪い取ったのもこのキャプテンだった。MF里見汰福(神戸U-18)がCKを蹴り込もうとしたとき、実のところ元砂は「相手にめっちゃ(ユニフォームを)掴まれてしまって(自分のいるべきポジションに)入れなかった」という状態にあった。ただ、「こぼれ球に対して相手より早く予測して反応できた」と言うように、競り合った末のセカンドボールへ反応。右足ボレーで「しっかりミートできた」シュートで見事な得点へと繋げてみせた。
そして、この試合のもう一つのキーポイントとなったのは後半開始早々に浴びた同点弾。MF和田武士(浦和)が中盤でボールを奪われたとき、「絶対にファウルだと思って足を止めてしまった」(元砂)隙も突かれる形で失点。「チームが苦しくなる隙を自分で見せてしまった」という悔いの残る場面だったが、頭はすぐに切り替えた。
「もう1点は絶対やらせない、『連続(失点)は絶対なしで』ということを話していました。チャンスは絶対来ると思っていたので、まず『もう1失点はなしだぞ』というのを強調した」
ついつい焦って前に出て行きたくなる流れだが、まずは試合を落ち着けること、隙を作らないことを徹底。そもそも「勝点1でも悪くない」という前提をしっかり持っているからこその冷静な判断だった。
同じく2試合連続で先発となったMF岡本新大(G大阪ユース)は、元砂について「キャプテンシーがあるし、リーダーシップがある。日常生活はあんまり喋らないし、明るいタイプではないけど、ピッチに入ったら全員をまとめてくれるし、声を出して体を張ってくれる素晴らしキャプテン」と形容する。国際経験の浅い選手の多いチームが動揺することなく戦えているのは、やはり元砂の存在が大きかったのだろう。
その後はMF北原槙(FC東京)が決勝点を奪い、チームは逃げ切りモードへシフト。「リトリートもしながらしっかり守備をする」(元砂)と割り切る部分は割り切って、「チームとしてめっちゃデカイ」と胸を張る連勝を掴み取ってみせた。
(取材・文 川端暁彦)
