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2月、徳島市が突如、中止の可能性を示唆した鉄道高架事業。

一方で、報告を受けた県は事業継続の意向を示すなど、今後の方向性が注目されています。

これまで、まちづくり構想の核とされてきた計画の行方はどうなるのでしょうか。

改めて「鉄道高架事業」とは何なのかを整理します。

(徳島市都市建設部・久米健仁 部長)
「あらゆる観点からということでございますので、事業中止も含めた形での検証を行わなければならないとは思っている」

2月に開かれた徳島市議会まちづくり対策特別委員会。

この中で市の担当者は、市と県、それにJR四国の三者で長年協議を進めてきた鉄道高架事業について突如、事業中止の可能性を示唆しました。

鉄道高架事業とは、文字通り線路を高架化し、踏切を廃止することで渋滞の緩和と市街地の有効活用を図るもの。

計画が浮上したのは、今から半世紀以上前、1973年のことでした。

計画区間は高徳線・佐古から徳島駅を経て、牟岐線・文化の森駅付近までの約4.7キロです。

このうち佐古駅周辺のみは1993年に高架化が実現しましたが、その後、事業は全く進んでいません。

まちづくりの専門家は。

(徳島大学総合科学部・田口太郎教授)
「当然、市民の理解を得ながら県民の理解を得ながら進めていく必要はあると思います」
「お金がかかるから必要ないのか、もっと言うと人口が減ってしまうから必要がないのか、というともちろん妥当性の判断がいるにせよ、これからの街を考えた時に、行き来が自由じゃないということは大きな損失でもあるかなと思います」
「もちろんお金の話というのはあるのですけど、実現できるのなら人口が減っても健康で豊かな街づくりを考えるうえでは、ある程度あったほうがいいかなと思っています」

高架化とセットで進められてきたのが、現在、駅北側にある車両基地の移転です。

これには3つの案があります。

1つ目は、高架化の範囲外である牟岐線の地蔵橋駅付近へ移転する案。

建設コストは約800億円、事業期間は約17年が見込まれています。

そして、2024年に県が示した2つ目の案。

それが文化センター跡地への移転です。

本来この場所に立つはずだった新ホールを藍場浜公園に変更し、空いた土地を活用します。

ただしこの場所には徳島市の土地が含まれていて、調整が必要です。

コストは約850億円、期間は約13年の見込み。

これらの案をもとに県と徳島市、それにJR四国の3者による協議が続けられてきましたが、そんな中、徳島市が3つ目の案を提示します。

それが、現在の場所で高架構造の車両基地をつくる案です。

ただ、車両基地を一旦仮移設する必要があり、ほかの案よりコストや期間が膨らむ可能性があります。

こうした車両基地移転や新ホールをめぐり、様々な案が浮かんでは消えていった中心市街地のまちづくり計画。

しかし、常に計画の核とされてきたのが、鉄道高架事業でした。

その中核事業に浮上した突然の中止の可能性。

市はあくまで「中止ありきではない」としていますが、費用負担が難しく基本方針の見直しを協議したいとしています。

これに対し県は、「市が考える県都のまちづくりを示して欲しい」と伝えました。

果たして中心市街地の理想の在り方とは。

(徳島大学総合科学部・田口太郎教授)
「実は線路というのは、鉄道が走っていなくても存在するというのが一つの特徴であるので、線路が存在する以上はどうしてもそこに亀裂が生じてしまうので、やっぱり町が分断され続けるということが現状としてあります」
「そこをどうクリアするかということを合わせて考えないと、徳島のせっかく豊かな資源を上手に使っていくまちづくりを考えるうえではちょっと残念かなという気がしますね」

止まらない人口減少と、それに反比例するように進む物価高騰。

限りある予算を使って私たちのまちをどうしたいのか。

新ホール、車両基地、鉄道高架。一体何を優先するのか。

行政任せにするのではなく、今こそ私たち一人一人が考える時なのではないでしょうか。

徳島市が突如、中止の可能性を示唆した鉄道高架事業についておさらいしました。