19インチじゃダメ? メルセデスAMG CLE 53 長期テスト(3) 開放的なコンバーチブル
積算3782km 今までのノーパンクは奇跡?
グレートブリテン島の公道の鋪装は、正直褒められるものではない。日々様々なクルマを試乗する筆者、イリヤ・バプラートが、今までパンクしたことがなかったのは奇跡といってよかった。しかし、遂にやらかしてしまった。
【画像】プレミアム・ラグジュアリー メルセデスのCLE クーペとカブリオレ AMG GTとSLも 全149枚
同僚の試乗レポートを読み、以前から気になっていたメルセデスAMG CLE 53。長期テスト車両になり、1週間お借りできる日を心待ちにしていた。6気筒エンジンを積んだスタイリッシュなクーペは、多くの人が好きなタイプだと思う。

積載車へ積まれたメルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス
ただし、乗る前から20インチ・ホイールに巻かれたタイヤは薄すぎるように見えていた。乗り心地がどんなものなのか、少し心配でもあった。
担当者のマーク・ティショーからカギを借りて、お気に入りのルートへ。気持ち良く飛ばしていたら、木陰へ紛れるようにアスファルトへ大きな穴が。車線は狭く、全幅は広く、充分に避けることはできなかった。
ガシン、という酷いノイズが耳へ届く。嫌な予感は的中し、エア圧センサーは左のフロントタイヤの圧力が低下していると教える。ステアリングは左へ引っ張られる。緩やかに減速し、AMG CLE 53を路肩へ寄せた。
サスアームにもダメージ 19インチじゃダメ?
パンク修理キットでは手に負えなかったが、ホイールやボディは幸い無傷な様子。メルセデス・ベンツ・アシスタンスへ電話を入れると、丁寧な対応を経て、ロードサービスへ引き継がれた。
長期テストでお借りしているのは、広報用車両。通常なら最寄りの正規ディーラーへ運ばれるはずだが、グレートブリテン島中南部、ミルトン・ケインズのメルセデス・ベンツUKまで運搬することに。

メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
積載車を待っている途中に電話があり、タイヤ交換が提案された。しかし、純正仕様のミシュラン・パイロットスポーツS5は扱いがないとのこと。AMG CLE 53は2時間後にやってきた積載車へ載り、筆者も自宅まで送迎されつつ、修理へ向かった。
後日メルセデス・ベンツUKから電話があり、前後のサスペンションアームにもダメージが及んでいると知らされた。自分のクルマだったら、見積書を見て青ざめていただろう。
メルセデス・ベンツ・アシスタンスの対応は素晴らしかった。AMG CLE 53も素晴らしいクーペだと実感した。しかし、大径ホイールと極端な扁平タイヤは好きではない。
グレートブリテン島のアスファルトは、すぐに改善できるものではない。AMG CLE 53のタイヤは前後でサイズが異なり、簡単に入手もできない。一般的なサイズの19インチでは、理想の走りから遠ざかるのだろうか。
積算5006km 一層珍しくなったコンバーチブル
コンバーチブルの選択肢は、めっきり少なくなった。20年ほど前までなら、日産マーチやプジョー206でも、オープンカーを選べたのに。そのため、近年のコンバーチブルは一層特別な雰囲気を放っているように思う。
10年ほど前までは、コンバーチブルにリトラクタブル・ハードトップが載っていることが珍しくなかった。しかし、それも過去のアイテムになりつつある。最近はクラシカルでエレガントな、ソフトトップが主流になっている。

代車で来たメルセデス・ベンツUKはCLE 450 4マティック AMGライン・カブリオレ(英国仕様)
メルセデス・ベンツも、コンバーチブルの選択肢はだいぶ減った。現在は、CLE カブリオレとSLの2択だけ。後者はスーパーカーに近い。毎日の乗りやすさを考えると、前者ということになるだろう。
同僚のイリヤ・バプラートがパンクさせ、修理が終わるまでの間、メルセデス・ベンツUKはCLE 450 4マティック AMGラインのカブリオレを貸し出してくれた。天気の良いタイミングと重なり、陽光を浴びて、ビタミンDの生成に励めた。
クーペと同じくらい、CLEのカブリオレも美しい。妖艶な雰囲気は、自然と通行人の視線を集める。レッドのルーフにタンのレザーという組み合わせは、少し派手かもしれないが、魅力的なことは間違いない。
開放的な雰囲気との悪くないトレードオフ
洗練度は非常に高い。3.0L直6エンジンは、驚くほどストレスフリー。オープン状態でも、車内は平穏が維持される。シートはゆったりしていて、サポート性も高く、リラックスできる。シートヒーターが心地良い。
路面の凹凸ではクーペ以上の車重を感じさせるものの、開放的な雰囲気との悪くないトレードオフといえる。動的能力が劣るような印象は、ほぼない。

メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
基本的には広い荷室は、ソフトトップを開くと流石に制限される。荷物を積む場合は、格納時に干渉しないよう注意が求められる。
メルセデス・ベンツはCLEの開発へ手を抜かず、特別な雰囲気へ浸れるコンバーチブルが実現している。適度にシンプルで、非常にコンフォート。AMG CLE 53にも、ソフトトップ版が登場するらしい。パンクはゴメンだが、こちらにも1度乗ってみたい。
テストデータ気に入っているトコロ
長いサイドドア:多くのクルマの場合、ドライバーの顔はセンターピラーへかかる。しかし2ドアのAMG CLE 53はドアが長く、すぐ横が良く見える。
気に入らないトコロ
扁平タイヤ:265/35 R20ではなく245/45 R19のタイヤなら、パンクのリスクが減り、乗り心地も改善するはず。お値段も、100ポンド(約2万円)は落とせる。
テスト車について
モデル名:メルセデスAMG CLE 53 4マティック+ クーペ・ナイトエディション・プレミアムプラス(英国仕様)
新車価格:7万8825ポンド(約1537万円)
テスト車の価格:8万1445ポンド(約1588万円)
テストの記録
燃費:9.9km/L
故障:左フロントのパンク
出費:323ポンド(約6万3000円)
