田中被告(左)とセクシー女優の霜月るな(右)

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「どんな仕事も同じだと思いますが、プロとしてお金をいただくのは大変なことです。いまも、どうやったらお客さんに喜んでいただけるか、考えながらこの仕事を続けています」。こう語るのは、昨年、田中聖被告との交際歴を告白して話題になったセクシー女優の霜月るな(32)だ。セクシービデオ業界に飛び込んで12年。「自分で選んだ道なんで後悔はない」。ベテラン女優が裸一貫で勝負してきた世界とは──。

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【写真7枚】1000万円整形の「ビフォー・アフター」&田中聖被告との霜月のキス写真

枕営業に疲れた

 デビューは2010年。初作品のパッケージには、今の姿からは別人としか思えないあどけない顔立ちの霜月が写っている。タイトルは〈雑誌・TVで活躍中のGAL読者モデルが遂にDEBUT!〉。なぜ顔が違うのかと言うと、総額1000万円以上も整形手術を繰り返してきたからだ。

田中被告(左)とセクシー女優の霜月るな(右)

 当時、霜月は関西地方の女子大に通いながら、「Popteen」「Vivi」などの有名ファッション誌の読者モデルとして活動していた。吉本芸人が司会を担当するローカル局のバラエティ番組にも何度か出演。エイベックスと角川書店が主催したアイドル発掘オーディションで最終選考まで残ったこともあった。

「貧しい母子家庭で育ったこともあり、華やかな世界への憧れがあったんです。『俺と寝たらいいことがあるよ』みたいな話をチラつかせるグラビアプロデューサー相手に、枕営業もよくやりました。騙されてばかりでしたが、被害者ヅラするつもりはないです。こっちもさもしい気持ちがあって近づいたわけですから」

 そんな折、SNSで声をかけてきたのがセクシー女優専門のスカウトマンだった。わざわざ出張までして説得してくれた男性の話を聞いて心が揺れた。「この世界から芸能人にもなった人もいるんだよ」。事務所のホームページには、日本のみならずアジア圏で人気を誇っていた蒼井そらが載っていた。

有名になって見返したかった

「飯島愛さんみたいな例もあるし、思い切ってやり方を変えてみようと思ったんです。マクラまでして“ヤラレ損”しているんだったら、いっそ体を武器にしてのし上がってやろうって。意を決して母親に打ち明けると、『人生は一度きり。そんなに勝負したいなら思い切りやってみなさい』と賛成してくれました」

 初めての撮影日。現場ではメイク、照明、マネージャーなど数人のスタッフに囲まれてお姫様のような扱いだった。相手を務めた男優は、後に有名ブロガーのはあちゅうさんと結婚して話題になったしみけん。緊張する霜月さんを優しくリードしてくれた。

 たった1日の撮影で得た報酬は数十万円。手にしたこともない大金だった。だが、代わりに失ったものも大きかった。交際していた彼氏からは別れを切り出され、結婚していた姉からは離婚騒ぎになったと家族会議で謝罪させられた。友人から聞こえてくるのは「とうとうセクシー女優まで堕ちた」という陰口。そんな雑音を聞くたび、「絶対に有名になって見返してやる」と心に誓った。

 当時、彼女が書いていたブログがある。〈今日から東京入り〜。お昼すぎに東京ついて、寮にきてマッタリしてました〉〈コンビニいったんゃけど。こんなん見つけた。あたしのシュークリームぅ〜?〉。こんな調子に身の回りで起きた些細なことなどを毎日のように発信していた。

「一人でもファンを獲得しようと必死だったんですよね」

マカオまで“出稼ぎ”に

 だが、思い描いていたほど甘い世界ではなかった。新人のお姫さま扱いもすぐに終わり、やがて、現場では厳しい監督から怒鳴られるように。仕事も波があって、いつも順調に入ってくるわけではない。毎日のように新人がデビューするこの業界では、同じ女優が同じような演技をしていても飽きられてしまうのだ。仕事が減った分は風俗で穴を埋めた。マカオまで出稼ぎに行ったこともある。

 もっと自分に自身が持てるようになりたいと考え、整形手術にも大金をつぎ込み続けた。鼻、二重手術、豊胸……。稼いだ金を投資し続けてきたら1000万円を超えていた。

「よほどのトップに上り詰めない限り、黙っていたって仕事は回ってきません。私、12年間で3回も事務所も変え、そのたびに『あれもこれもやれます』と必死で売り込んできました。最近はハード系も解禁したんですが、一回の撮影で体がボロボロになり、喉が切れて出血することも……。精神面も崩します。でも、そんなしんどい思いをしてまで仕事をするのもお金のため。自分の意思でやっているということです」

 気づいたら12年。ベテランの域に達してきて、現場で怒鳴られるようなことはなくなった。それでも不安は尽きず、自分の作品を見返したりする努力を欠かさない。

誰かのせいにしても仕方ない

「お客さん目線になって、この時、もっとこう動くべきだった、こういう表情をすべきだったとか、反省したりします。他の女優さんの作品を観て、研究することも。結構なお金をいただいているわけですから当然だと思うんですよね。メーカーの立場になって考えたりしますよ。制作費がいくらで、そのうち男優さんや現場スタッフの人件費はどのくらいか。機材費、宣伝費を差っ引いて、それで私のギャラがこの額になるんだって」

 昨年、新法が施行されてからは出演契約の手続きが煩雑になった。撮影の1カ月前までに何枚もの同意書が送られてきて、記入して送り返さなければならない。だが、自分で感じる変化はそれだけ。新法が理由で仕事が減ったと騒いでいる一部の女優たちの主張には違和感がある。

「私はもっと前から何度も干されて乗り越えてきましたからね(笑)。誰かのせいいしたって仕方ないと思うんです」

富士山が見えるタワマン

 最近のセクシー女優を「被害者」としてみる向きについてはこう答える。

「どなたかが『セクシービデオは女性を性的に虐待した娯楽』と言っていたそうですが、気分が悪いですね。もちろん、出演強要はよくないことです。私は知らないですが、そういう被害がもし本当にあるならば法律で規制して救済すべきです。でも、セクシー女優がみんな被害者なんて見方は間違っています。私は自分でこの仕事を選び、誇りを持ってやってきました。社会に恥じることもありません。だって、性犯罪を抑止するために必要なものでしょう。ちゃんと社会に貢献しているのに、かわいそうだって思われるのは本当に不愉快です」

 霜月の自慢は住まいだ。都内の家賃24万円のタワーマンションに住み続けている。酒も苦手なので外を出歩かない。休みの日は、見晴らしのいい自宅でゆっくり過ごし、心身を整える時間を大切にしている。

「天気がいい時は富士山も見えます。この空間を維持し続けることにこだわって、この仕事を続けているところもあるんです。ファンの方から応援メッセージをいただいくことも大きな励みです。今後も要らないって言われるまで、現役で続けていきたいと思っています」

デイリー新潮編集部