就業時間中は喫煙禁止。テレワークの社員も対象です――

ダイドードリンコ(本社・大阪市)が導入した、こんな社内ルールが賛否を呼んでいる。オフィスだけでなく、在宅での勤務中も禁煙としたことに、ネット上で「やりすぎではないか」といった指摘が出ているのだ。


テレワーク禁煙は「やりすぎ」なのか

従業員の健康増進などが目的で、とくに報告の義務や罰則規定などはない。いわば「努力義務」に近いものだが、この取り組みをめぐってツイッターやネット掲示板には、

「まぁ自宅でも仕事中ならおかしくない」
「そりゃ、そーですよ!オフィスなんですから!」
「在宅勤務でもわざわざ席を立ってタバコ吸ってその間仕事してないなら禁止は納得」
「長く働いてもらうためには必要なことなのか」

といった「賛成派」の声があがる一方で、

「ちょっとやり過ぎだと思う。それぞれがマナーを守って、自分の体を気遣えば良いのでは...」
「禁酒は? 昼食でビールとか」
「健康のためとか抜かすなら缶コーヒーも禁止にしろよ」
「じゃ酒も白砂糖も植物油も禁止しろよ」

など、非喫煙者を名乗る人からも「やりすぎでは?」といった投稿が数多く寄せられた。

以前から、テレワークと喫煙の問題を取り上げてきたJタウンネット編集部。今回は、話題となったダイドードリンコの取り組みについて、賛成か反対かを尋ねるアンケート調査を実施した(投票期間:2020年10月14日〜23日、総回答数774)。

その結果をまとめたのが、次の図表となる。

テレワークでも禁煙、過半数が「反対」



今回のアンケートでは、「『テレワーク中も禁煙』どう思う?」という質問に対して、「賛成」「反対」「分からない、どちらとも言えない」の3つの選択肢を用意した。

その結果、最も多かったのは「反対」で54.1%(419票)、過半数を超える票を獲得した。やはり、「在宅でも適用」という点に違和感を抱いた人が多かったのだろうか。一方の「賛成」は34.4%(266票)、「分からない、どちらとも言えない」は11.5%(89票)だった。

では、こうしたアンケート結果やネット上の賛否の声について、当のダイドードリンコ側はどう受け止めるのだろうか。

Jタウンネットは10月26日、同社広報を取材した。

同社によれば、今回の禁煙ルール導入は、社内報や社内メールを通じて従業員に周知したという。

この取り組みを始めた狙いについて改めて聞くと、「従業員の健康維持・増進施策に積極的に取組むとともに、従業員自身も、自らの健康への意識を高め、健康維持・増進に努めることができる環境の創出」を目指すためなどと説明した。

紙巻だけでなく、電子タバコや加熱式タバコも一律で対象としたのは、「従業員の健康増進や健康意識向上のため」(広報担当者)という。

ネット上で違和感を示す意見が多く出たことや、その成果について、広報担当者は

「実施にあたっては、従業員自らの自主性に任せることとしております。今回を機に、完全禁煙を始めた従業員もおります」

とコメントしている。