スポニチ

写真拡大

 ◇WBA世界バンタム級正規王座決定戦 同級2位・比嘉大吾(志成)<12回戦>同級1位・増田陸(帝拳)(2026年7月20日 東京・両国国技館

 元WBC世界フライ級王者でWBA世界バンタム級2位の比嘉大吾(30=志成)はWBA同級1位・増田陸(28=帝拳)に1―2の判定で敗れ、国内最長ブランクとなる8年3カ月ぶりの世界王座返り咲きはならなかった。世界でも超異例の4戦連続世界挑戦だったが、“四度目の正直”とはならなかった。

 スタートから増田のジャブをかいくぐり懐へ潜り込もうと前に出る比嘉。2回には場内の「ダイゴコール」と指笛を背に攻め込む。3回には中に入ろうとしたところをカウンターで迎撃される場面もあったが、構わず前へ。4回終了間際には猛攻を仕掛け大歓声を浴びた。

 6回にはバッティングで左目の上をカット。傷を気にするようなそぶりを見せながらも、果敢に飛び込みパンチを当てていく。8回には出血が激しくなり、徐々に増田の白いトランクスが赤く染まっていく。それでも最後までがむしゃらに前に出続けたが、判定で涙をのんだ。

 3戦連続の激闘も報われなかった。昨年9月、WBO王者・武居由樹(大橋)に僅差判定負け。昨年2月にはWBA王者・堤聖也(角海老宝石)、同7月にはアントニオ・バルガス(米国)とダウンを奪い合う激戦を演じるも、ドローで王座獲得に失敗。バルガス戦後は引退を表明したが、撤回して約1年ぶりのリング復帰を決断した。

 復帰とともに自身を見つめ直した。これまでは担当の野木丈司トレーナーが決めた練習をこなしてきたが、今回からは比嘉自身の意見も反映させながら行うスタイルに変更。同門の大先輩・井岡一翔の練習に取り組む姿勢にも感化され“自主性”が芽生えた。練習量やスパーリングのラウンド数を抑えて臨んだ一戦だったが、またしても及ばなかった。

 勝てば次戦にも現WBA休養王者・堤との“因縁”の再戦が濃厚だった。高校時代からの親友で、過去2度の対戦でともに引き分けた親友との完全決着は実現しなかった。「もう引退しません。続けられる以上は続けていく」と宣言して再起した30歳が、いよいよ崖っ縁に追い込まれた。