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パリの道路環境に最適なトゥインゴ

ルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏が、トゥインゴ E-テックのキャビンを紹介してくれる。グーグル・ベースのタッチモニター・システムを中心に。「コネクティビティのレベルの高さに驚きます。3倍も高価なモデルより、接続能力は高いんですよ」

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プラスティック製部品が硬いままなことも認めるが、「この種類のクルマでは、何より耐久性を優先する必要があります。実際、リアサスペンションもトーションビームで充分です」。トゥインゴ E-テックは、マルチリンクではない。


ルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏と、トゥインゴ E-テック

セーヌ川沿いの道で、機敏なフットワークが披露される。手短に安全を確認すると、間髪入れずに左折。スタッフが追うルノー・セニックを、巻く勢いで通りを縫っていく。

カンボリーブ氏は、パリの交通事情に詳しい。渋滞を避ける目的もあるだろう。それでも、トゥインゴ E-テックがこの街の道路環境に最適なことは間違いなさそうだ。

まるで特別な力を手にしたような気分

「パリはクルマと歩行者、自転車が入り乱れています。カオスのように。小回りが効くことと、電動パワートレインは非常に有効です。このクルマを運転していると、まるで特別な力を手にしたような気になりますよ」

そんな力を掴むには、まずトゥインゴ E-テックを購入する必要がある。ルノーが改革を進める販売手法は、凱旋門から伸びるシャンゼリゼ通りに面した、目的地のフラッグシップ・ディーラーで確かめることができる。


ルノー・トゥインゴ E-テック・エレクトリック(欧州仕様)

だが、ナビ・アプリを確認したカンボリーブ氏は顔をしかめた。渋滞しているからだ。自動車メーカーの決断は即興的にできなくても、彼らしい直感力で目的地は変更された。

エッフェル塔が対岸に見える、トロカデロ広場を1周。トゥインゴ E-テックの可能性へ触れながら、パリ南西部、ビヤンクールにあるルノー本社へ戻るという。「愛されるクルマをデザインしようと、努めているんです」

新技術を実装するなら人間中心の必要がある

「クルマへ新技術やコネクティビティを実装するなら、人間中心である必要があります。バッテリーEVを製造するなら、(企業の)CO2排出規制を守ること以上に、何らかの目的を果たす必要があります」

そして、クルマが特有の魅力を持つことも重要だと続ける。個々のモデルへ、注目して欲しいと話す。「お客様は、ルノーを買うのではありません。ルノー製品の1つを選ぶのです。それぞれの製品は、特定の顧客がターゲットにされる必要があります」


ルノー・トゥインゴ E-テック・エレクトリック(欧州仕様)

「業界は変化が速いですが、2年で急速な成功を収めた好例といえるでしょう。しかし、好調な企業が急変する例は珍しくありません。競合の動向を見極めており、近日発表される製品を予測できる他メーカーもあります。また謙虚さも、忘れてはなりませんね」

カンボリーブ氏の洞察力と先見性が、印象深いパリ観光になった。ルノーの好調は、簡単に導かれたものではない。もちろん、現状維持でもたらされたものでもない。

番外編:英国の自動車市場を重視するルノー

フランスと英国は、歴史的に有効な関係にはなかった。しかしルノーにとって、英国は最も重要な市場の1つであり続けている。「英国は、自動車文化の模範的な国といえます。そこでの事業展開は、とても重要な意味を持つのです」と、カンボリーブ氏は話す。

同時に、フランス文化を積極的にルノーは取り入れているとも説明する。「英国においても、フランスらしさを大切にしています。両国間における、駆け引きといえるかもしれません」。そんな中で大幅な値引きなしに、着実に販売数は伸ばされてきた。


ルノーの新CEO、ファブリス・カンボリーブ氏(右)と筆者

英国のルノーを取り仕切る、アダム・ウッド氏への信頼は厚い。「市場に関する適切なフィードバックをしてくれます」。彼は以前に、南フランスへ住んでいた経験がある。

新しいトゥインゴ E-テックの発売が、英国では2027年に伸びたことを、カンボリーブ氏は謝罪もした。「もっと早く現地の承認を得たいのですが、投資バランスもあり、予定通りに進みませんでした。今後は遅延が生じないよう、体制が整えられるでしょう」