【W杯】分析班、10増の50人 森保監督「想定外も想定内」入念想定でモロッコでもブラジルでも万全準備…26日朝に1次L最終戦
日本代表の森保一監督が24日(日本時間25日)、1次リーグ(L)第3戦・スウェーデン戦(25日、日本時間26日)の前日会見に出席。F組2位の日本は引き分け以上で2位以内が確定する。敗れても決勝トーナメント(T)進出の可能性がある。1位、2位通過の場合、決勝T1回戦はC組1位ブラジル、同2位モロッコとの対戦が決定する。指揮官は「どこの国とどこでやることになっても、自然に結果を受け止めたい」と語った。確固たる自信の裏にある、日本協会の事前の入念なシミュレーション、前回から規模を拡大した対戦相手の分析面を岩原正幸キャップが「読み解く」。
× × × ×
1次リーグの順位が1〜3位まで可能性があるスウェーデン戦へ、森保監督は前日会見で「あくまでも勝利を目指す」と従来通り一戦必勝の姿勢を貫いた。「1位通過を目指したい気持ちはあるが、大量得点を狙ってチームのバランスを崩すことは逆にリスクになる。どんなチームと決勝Tで当たっても、自分たちがやるべきことをしっかりぶつけられるチーム状態」と泰然自若の構えを強調した。
この日、C組の1位、2位がブラジル、モロッコに決定。日本が1位通過なら中3日の同1回戦(ともに29日、日本時間30日)でモロッコとメキシコ・モンテレイで、2位通過ならブラジルと米ヒューストンで対戦する。森保監督は「スウェーデンも非常に力のあるチーム。甘い戦いではない」と表情を引き締めながら「まず、勝利を目指した上で結果を受け入れたい」とした。「どの国とどこで戦うことになっても、W杯の事前準備と全ての競技場、環境の細かいチェックをJFA(協会)の皆さんがしてくれたおかげで、落ち着いて準備ができる」と相手がどこであれ、動じない自信をにじませた。
2つの根拠がある。環境面の整備では、中心的役割を担う松本良一フィジカルコーチ(51)が「数年間かけて、実際に米国に滞在して移動方法や様々な気候を感じ、我々ができる準備をしてきた」と証言する。勝ち上がりで異なる開催地ごとの気候への適応や移動時間、食事を取るタイミングを選手の状態を優先し、入念に想定を重ねてきた。
また、22年カタールW杯後に対戦相手の分析を行うテクニカルスタッフを増員した。総勢4人とし、学生のサポートスタッフも前回の5、6人から約50人体制へ増強。日本協会の宮本恒靖会長(49)は「前回は分析チームが疲弊した。人を増やして質の高い分析をしてもらう」と明かすなど既にブラジル、モロッコを含む決勝Tで当たる可能性のある各国を“丸裸”にしている。相手監督の戦術やセットプレーの特徴などを、対峙(じ)する日本の選手に事前に情報を提供する。
オールジャパンの総力を結集し、“最高の景色”に向けた戦い。「想定外も想定内」が口癖の森保監督は試合前日、ダラス中心部で開かれた日本代表サポーターによる決起大会にサプライズ出席。「皆さんの後押しで選手たちが躍動し、良い流れで向かうことができています。皆、最高」と共闘を呼びかけた。まずはスウェーデン戦に集中し、ブラジル、モロッコどこと当たっても強い日本を世界に証明する。(岩原 正幸)
◆北中米W杯の順位決定方法
▽1位&2位 ⑴総勝ち点数、⑵当該チーム間での得失点差、⑶同総得点数、⑷1次L全試合での得失点差、⑸同総得点数、⑹フェアプレーポイント(選手及びチームスタッフ)、⑺最新のFIFAランキングの順に従って決定
▽3位通過チーム 全12組の3位チームのうち上位8チームが進出。各組で獲得した勝ち点数を基準にし並んだ場合は、⑴1次リーグでの得失点差、⑵同総得点数、⑶フェアプレーポイント、⑷最新のFIFAランキングの順に従って決まる
◆森保監督に聞く
―どういった試合にしたいか。今後の日程的な部分に関して。
「我々の考え方としては一戦一戦勝利を目指し戦う。決勝Tに向け、中3日で試合があるが、先の試合というより、この試合で勝利することを考えたい」
―チームマネジメントで意識することは。
「この大会で特別に何かしているというのではなく、これまでの活動を通じて、誰が出ても勝つ、誰と組んでも機能するということを言い続けてチーム作りをしてきた。コーチ陣が選手にプレーを明確に落とし込んでくれている」
―スウェーデンの弱点は?
「ポッター監督は素晴らしい監督。短期間でチームを作り、個々の力を生かしてチームの最大値を具現化している。弱点は見当たらない。もしあったとしても明日の試合を見て、確認していただければ」
―FWメッシについて。
「異次元すぎてどう表現していいか分からない。もしアルゼンチンと試合をした場合には、どうやって止めたらいいんだろうと、コーチ陣とも話している」
―3分間のハイドレーション(給水)ブレイクの受け止めは。
「今回のルール変更の中で大きなポイント。チームの戦い方を修正、共有できる時間だと捉えている」
◆各国の強みと弱み
▽スウェーデン
<強>欧州名門所属のイサク&ヨケレスの2トップ
<弱>サイド攻撃への守備
▽ブラジル
<強>ビニシウスらの個の突破力
<弱>両SBの守備&最多優勝5度の「王国」の重圧
▽モロッコ
<強>組織的な守備と攻守の切り替えの速さ
<弱>攻撃のバリエーション
【スウェーデンのポッター監督 質問攻め】
日本戦に向けた前日会見に出席したスウェーデンのポッター監督(51)に対し、地元メディアが守備の懸念を追求する“集中砲火”を浴びせた。
第2戦オランダ戦(1●5)で守備が崩壊し、大敗を喫したことから「守備は改善されるのか」、「以前から抱えていた問題が深刻化しているのでは」などと質問攻めに遭った指揮官は「あの試合のような守備ではダメだ」とキッパリ。そして、「あのような試合の後にもかかわらず、チームの雰囲気はポジティブだ。あの教訓をどう生かすのか、チャレンジしたい」と意気込んだ。
英プレミアリーグ・ブライトン監督時代にMF三笘薫を指導したことでも知られる指揮官は「どのチームも欲しがるような質の高い選手(三笘)を欠きながら、その解決策を見つけている。素晴らしく、尊敬できるチームだ」と森保ジャパンに賛辞。「守備を改善し、安定した戦いをしてみせる」と力を込めた。(岡島 智哉)

