会社や取引先の人に「感じのいい人だな」と思われる人はどんな人か。日本合コン協会会長で、初対面同士のマッチングを2000回以上見てきた田中絵音氏は「ビジネスシーンで人から好かれる人は、定番の挨拶にも素敵な言葉をちょい足ししている」という――。
撮影=南方篤
日本合コン協会の田中絵音さん - 撮影=南方篤

■「お疲れ様」を言うだけでは好かれない

ビジネスシーンで日常的に交わされる挨拶といえば「お疲れ様」。便利な表現ですが、毎回同じ言葉では事務的で退屈な印象を与えてしまいます。ときには「他の表現で伝えたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

初対面や取引先の相手に対して「お疲れ様」と言うのも注意が必要です。態度が軽く見られる場合もあり、場合によっては不適切になってしまうこともあります。また目上の人に「ご苦労様です」という言葉をかけるのも、失礼に当たるとされています。

仕事だけでなく、会食や合コンなどの集まりにおいても、とりあえず「お疲れ様」ばかりを言う人もいます。残念ながら、通り一遍で何のインパクトも工夫も感じられず、感情がこもっていないように思われてしまうことも。「お疲れ様」という言葉の効力が失われていくのです。

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ビジネスシーンでもプライベートでも、ひとつひとつの場面に合った「お疲れ様」を使い分けることで、相手に自分の気持ちをしっかり伝えていくことが大切です。

私は職業柄、2000回超の合コンでさまざまな挨拶のシーンを見てきました。感じのいい人は「お疲れ様です」以外に気の利いた一言を使って、人の心をぐっと掴んでいると常々感じています。

そこで今回は、「お疲れ様です」にちょい足しして、好印象をかっさらうフレーズをシーン別に紹介します。

■「調子どう?」を足すとメリットだらけ

まずはカジュアルな使い方から紹介しましょう。

彼らは「お疲れ様」の後に、相手の体調をねぎらう一言をさらっと添えています。「お疲れ様。調子どう?」「おつかれ! 休憩取れてる?」などのフレーズです。

撮影=南方篤
「感じのいいフレーズ」を解説する日本合コン協会会長の田中絵音さん - 撮影=南方篤

特に「調子どう?」は、同期や部下への声掛けに適しています。ただ単に「お疲れ様」と言うだけでなく、「調子どう?」という質問は相手が何かしらの反応があるので、コミュニケーションのきっかけになります。相手がどんな調子で仕事を進められているかも把握できます。

またこの言葉を投げかけられた人は、今の自分の状況を開示することになります。自分の話をすることでストレス軽減にもつながるし、こちらへの信頼を寄せるきっかけにもなります。両者にとってメリットがある挨拶のキャッチボールになることでしょう。

ほかにも「お疲れ様。午後も頑張ろう!」と、相手をポジティブに鼓舞する言葉をかけるのも効果的です。

■目上の人にも「ちょい足し表現」が効く

上司や取引先など、目上の相手に対して「お疲れ様です」という言葉は、少々カジュアルな印象になってしまう場合があります。そんな時は、「ありがとうございます」という言葉を足してみましょう。丁寧で礼儀正しい印象になりやすいです。

たとえば、社内の偉い人に向けて、「お疲れ様です。本日はお時間をいただき、ありがとうございます」と感謝の気持ちを添えましょう。

似たような言葉で、取引先に向ける「お世話になっております」がありますが、その場合も「ありがとう」を加えれば、柔らかい雰囲気で温かみが出る表現になります。「お世話になります。本日はお越しいただき、ありがとうございます」のような感じです。

「ありがとう」という言葉は万能です。取引先との会食でも、乾杯をする際にグラスを近づけながら「本日はありがとうございます」と言うのもおすすめです。目上の人との乾杯の際に「カンパ〜イ!」と言うのは馴れ馴れしすぎるので、感謝の想いを伝えながら好印象乾杯の挨拶として代用すると、相手も気持ちよく乾杯ができることでしょう。

■「今日もよろしく!」で爽やかにスタート

敬語が不要なカジュアルな関係性であれば、「お疲れ様」に「今日もよろしく!」を入れて、明るく挨拶するのもおすすめです。

この一言はフランクで親しみやすく、距離感も近い印象。「一緒にやっていこう!」というチーム感を強調できます。また、軽快で前向きな言葉なので、午前中に言われると、その場が明るい雰囲気になります。

ただ、立場によって受け止め方に違いがあり、同期には気持ちよく受け取られやすいですが、あまり親しくない部下からは「軽い」「上司らしくない」と思われてしまうことも。

一度プロジェクトを一緒にやり切ったとか、ランチや飲みに行ったことがあるなど、親しみのある相手に効果的な挨拶と言えるでしょう。

■朝でも夜でも士気を高める「おはよう」

午前中に、仕事仲間に会ったとしたら、「お疲れ様」の代わりに「おはようございます」と言うのもオススメです。午前11時ごろのお昼の近い時間でも「おはよう」を使ってOK。爽やかな心意気で仕事を続行できるはずです。

写真=iStock.com/ismagilov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ismagilov

余談ですが、朝だけでなく昼でも夜でも、仕事に入る際に「おはようございます」と挨拶する業界があります。芸能界や飲食業界、ナイトワーク、旅行・観光・宿泊業界、警備・工事・建設業界など、夜間の稼働が多い業界がそうです。

「仕事が始まった瞬間=朝」と捉える業界文化のため、シフト開始時に「おはようございます」と挨拶するのが慣習になっています。「これから一日が始まる」という意味合いが強く、現場全体の士気を上げる効果もあります。

業界人との合コンでも、最初の挨拶はライトな語調で「おはようございまーす」と言うケースが多く見られます。決して仕事を始めるわけではないのですが、合コンもある種のプロジェクトの始まりという意気込みなのかもしれません。

■仕事終わりに「今日もありがとう」

仕事が終わったあとも、感じのいい人は相手や場面に合わせて一言ちょい足しをしています。

たとえば「今日もありがとう」という感謝の言葉です。「おつかれ。今日もありがとね」は同期や部下に、目上の人に対しては「お疲れ様です。今日もありがとうございました」と言いましょう。

今日一日仕事を共にしたことへの感謝の思いを伝えることで、「また明日からこの人と頑張ろう」というやる気を呼び起こすことができます。仕事のモチベーションを明日に繋げる言葉掛けになるのです。

「お疲れ様でした。また明日もよろしくお願いします」と、「明日」という言葉を使うのもポジティブな雰囲気をまといます。

■カジュアルな「マジでお疲れ様!」も好印象

また「お疲れ様。ゆっくり休んでね」という言葉も効果的です。相手は「本当に自分のことを考えて、労ってくれているな」と感じられて嬉しいし、さらに仕事を頑張ろうと思えるはずです。

印象的にスパイスを効かせるなら「マジでお疲れ様!」と、さらっと言うのもいいでしょう。「マジで」という3文字を加えることで、不思議と心がこもった印象になるから不思議です。

「お疲れ様」は便利な一言ですが、誰もが一般的に使っている無難な挨拶です。相手との関係性やTPOに応じて言い換えをすることで、唯一無二の好印象と、その後の関係性を深めるきっかけになります。ぜひ試してみてください。

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田中 絵音(たなか・えのん)
一般社団法人日本合コン協会 会長
イベントプロデューサー。恋愛アドバイザー。2000回以上の合コンイベントに携わり、男女の恋愛心理に精通。婚活、デート、合コン、マッチングアプリなど、最新の出会いビジネスに詳しい。識者としてのメディア出演は500本以上。著書に『こじらせ男子の取扱説明書(トリセツ)』ほか国内外で8冊。
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(一般社団法人日本合コン協会 会長 田中 絵音)