名古屋大学などは10日、怒りを感じた状況をできる限り客観的に紙に書き、丸めて捨てると、怒りが静まることを確認したと発表した。

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 この方法を応用すれば、職場や家庭で怒りを簡単にコントロールできるようになるという。

■怒りのコントロール

 怒りはときに暴力を生み、人間関係をも破壊する。そのため怒りと上手に付き合っていく必要がある。

 しかし、いわゆる6秒ルール(6秒待てば、怒りを理性的にコントロールできるようになる)などでしられる「アンガーマネジメント」は、客観的なエビデンスに基づくものではない。

 また、客観的なエビデンスに基づく再評価(怒りなどを感じた状況や出来事の解釈を変えることで怒りなどをコントロールする方法)や、自己距離化(自己の体験を第三者の視点から見つめ直すことで怒りなどをコントロールする方法)は、怒っている最中に実行することは難しい。

 研究グループが今回発見した方法は、これらの方法に対して家庭や職場で怒りを感じている最中に簡便に実行できる効果的な方法だという。

■怒りを感じた状況を客観的に紙に書き、丸めて捨てる

 まず研究グループは、実験参加者が書いた文章に低い評価を与えて、実験参加者を怒らせた。その後、怒りを感じた状況をできる限り客観的に紙に書き、丸めてゴミ箱に捨ててもらった実験参加者は、侮辱される前と同程度まで怒りが静まった。これに対して、紙を丸めて捨てなかった実験参加者は怒りがそれほど静まらなかったという。

 さらに、紙を丸めて捨てる代わりに紙をシュレッダーにかけて裁断しても、同様の効果が確認された。これに対して、紙を箱に入れただけでは怒りはそれほど静まらなかった。

 研究グループによれば、今回発見した方法については、仕事中に怒りを感じたような場合にメモを取るフリをして怒りを書き出し捨てるといった応用が、考えられるという。

 研究グループでは今後、紙だけではなく、電子メールや電子ファイルなどの電子媒体においても同様の効果が認められるかどうか、検証していきたいとしている。