持参金目当ての父親によって無理やり嫁がされた少女(中央)(画像は『The Standard 2020年7月15日付「Girl, 12, rescued from two marriages, all in a month」(Robert Kiplagat, Standard)』のスクリーンショット)

写真拡大

アフリカでは現在も児童婚が増加傾向にあり、このほどケニアで51歳の男性と結婚させられた12歳少女が当局によって保護された。少女は父親の持参金目当てによって結婚させられたものと見られている。『The Standard』『New York Post』などが伝えた。

ケニアの首都ナイロビの西に位置するナロクで、父親によって強制的に結婚させられた12歳の少女がナロク児童局によって保護された。少女は51歳の男性と結婚し、その2週間後に35歳の男性と結婚を余儀なくされた。

少女は医師になることを夢見て学校での勉強に励んできたが、12歳の誕生日を迎えると父親から51歳の男性のもとへ嫁ぐように言われた。少女は結婚を回避するために親戚の家へ逃げ込んだものの、父親に連れ戻されてしまい、結婚させられることになった。少女は当時のことを次のように語っている。

「私は結婚相手の男性について全く知りませんでした。家族には『その男性と結婚したくない』と抵抗しましたが、父からは『その男性が私達家族を養ってくれるから、その人と結婚しなさい』と言われました。」

「私はもっと勉強したいと思っていましたが、父は『勉強するには年を取り過ぎている』と言ったのです。私の2人の姉も父に強制的に結婚させられてしまいました。父はパンデミックで学校が閉鎖されてから、ひとり残った私を結婚させるつもりだったのです。」

少女は51歳の男性の2番目の妻として嫁ぐことになり、これによって父親は持参金として4頭の牛を受け取る約束をした。その後、少女が結婚相手の男性に抵抗したところ、男性の家族から名誉を汚されたとして殴られたそうだ。

結婚から2週間後、耐えきれなくなった少女は嫁ぎ先の家から逃げ出したが、父親のいる自宅へ戻ることができず、別の35歳の男性と結婚して駆け落ちするしかなかったとのことだ。この男性の身元は詳しくは明かされていないが、少女によると彼は既婚者だったという。

その後、ケニア当局が「1か月間に2度結婚した少女がいる」と情報を受け、少女の行方を探して最終的に無事保護するに至った。ケニアでは18歳以下の女性の結婚は違法であり、警察では少女と結婚した51歳と35歳の男の行方を追っている。一方で少女の父親は逮捕されるのを恐れ、娘の結婚相手からの持参金は受け取らずにいるようだ。

ちなみにケニア人口健康調査(KDHS)の統計によると、少女が住むナロクはケニアの中でも10代の少女の妊娠率がもっとも高い地域とのことだ。

画像は『The Standard 2020年7月15日付「Girl, 12, rescued from two marriages, all in a month」(Robert Kiplagat, Standard)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)