ファインセーブを連発した大迫を海外メディアも称賛した。 写真:佐藤博之

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 東京オリンピックへの出場権を懸けて、アジア各国がタイを舞台に火花を散らしているU-23アジア選手権。日本は開催国のため五輪出場が確定しているが、本大会に向けた強化のため国内組を中心にしたチームで参加している。

 1月9日に行なわれたグループステージ初戦は、サウジアラビア戦に1-2で惜敗。序盤から押し込まれる展開で48分に先制を許すと、唯一の海外組である食野亮太郎によるゴールで一度は追いつくも、終盤にPKを与えてしまう。これを決められ、2大会ぶりの優勝を目指すチームにとっては痛恨の黒星を喫した。

 この一戦を、「“伏兵”サウジアラビアが日本を相手にPKを奪い、人々に感銘を与えた」と評したのは、『Fox Sports』アジア版のガブリエル・タン記者だ。

「日本に比べて下馬評は高くなかったサウジアラビアだが、前半は英雄のような活躍を見せたGK大迫敬介が立ちはだかるゴールマウスを、破ることに成功した。日本はすぐに1-1として試合を振り出しに戻すまでに8分しかかからなかったが、その後は膠着状態が続いた。そして、ラスト5分に最後の“ヤマ”があった」

 そして、結果として試合を決めることになったPKについては、このように評している。

「岡崎慎の集中力の低下により、アブリカン・ガリーブにボールを奪われた。そのまま攻め上がるアブリカンに足をかけて倒してしまったことで、サウジアラビアに勝ち越しのPKが与えられた。PKに臨む大迫はその瞬間までは、間違いなくこの試合のヒーローだった。だが、ガリーブのシュートを防いでチームを救うことはできなかった。この結果、サウジは新たな歴史をつくる一歩を踏み出し、日本はこの大会初のグループステージ敗退へひとつ歩みを進めてしまった」

 さらに、AFC公式サイトも「サウジアラビアが先制しても、日本のメシノがゴールを決めて追いついたことで、このゲームは引き分けで終わるとみられた。だが、サウジのアタッカーが最高のチャンスを手に入れ、日本の守備網はそれに追いつくことが叶わなかった」と伝えている。

 手痛い敗戦を喫した森保ジャパンは12日、シリアとの一戦に臨む。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部