【東京モーターショー2017】もうすぐ出ますよ!早く乗りたい市販確実モデル11台

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初日から会場がヒートアップしている第45回東京モーターショー未来のクルマを予想させるコンセプトカーのレポートに続いてご紹介したいのは、市販が確実視されるモデル11台。

夢と希望に満ちたコンセプトカーはもちろん魅力ですが、「そろそろ新型に買い替えたい…」、「こんなモデルが市販されればいいのに…」という思いを抱いている人にとって、市販前提モデルはリアリティのある“夢のクルマ”ではないでしょうか。

そんな、注目モデル&超ド級モデル11台を厳選してレポートします。

◎トヨタ「センチュリー」

日本を代表する“ショーファーカー(運転手付きのクルマ)”である、センチュリーの3世代目モデルがワールドプレミア。従来モデルと同様に、匠の技や高品質のモノづくりを受け継ぎながら、環境性能や快適性をさらに向上させています。

先代モデルはV12気筒エンジンを搭載していましたが、新型では時代を反映し、5リットルのV8+ハイブリッドへと変更。燃費性能や静粛性も向上を図っています。

エクステリアは、ひと目でセンチュリーと分かるデザインですが、二重構造のフロントグリルやヘッドライトなど、すっきり一体感のある意匠に改めています。ボディサイズは従来モデルより若干拡大され、全長は5335mm、全幅は1930mmと、さらに重厚感と迫力あふれるスタイルとなりました。

そしてインテリアですが、シートはウール100%のファブリック仕様と、最高級表皮を使用した本革仕様とを設定するほか、無段階に調整可能な電動オットマン、シートや空調などの集中操作が可能なマルチオレペレーションパネルを供えるセンターアームレストなどを備え、まさに最高のおもてなし空間となっています。企業役員やVIP向けの高級車ですが、その貫禄あふれるたたずまいは、一見の価値アリ! といえるでしょう。

◎トヨタ「クラウン concept」

2018年夏のデビューが予定されている、15世代目クラウンのコンセプトカーが世界初公開されました。開発コンセプトに“走行性能の追求”と“コネクティッド技術の進化”を掲げ、伝統と革新の融合を図っています。

クルマを操る楽しさを提案するために、プラットフォームを一新。市販車開発の聖地とされるドイツ・ニュルブルクリンクで走行テストを行い、意のままに操れるハンドリング性能や、あらゆる路面や状況においても目線のブレない走行安定性の実現を目指しているそうです。

また、トヨタでは車載通信機の搭載、普及によって得られるビッグデータの活用を目指していて、クラウン conceptの市販モデルにも全車標準装備し、活用の強化を図る予定とのこと。走る歓びに加え、トヨタらしい真面目な先端技術への取り組みを感じさせる1台ですね。

よりアグレッシブな印象が増したフロントデザイン、“6ライトデザイン”採用の新鮮なキャビンデザインなど、エクステリアからもトヨタが次期クラウンにかける意気込みが伝わってきます。

◎三菱「エクリプス クロス」

2017年3月のジュネーブモーターショーで発表された、クーペスタイルのコンパクトSUVが東京モーターショーにも登場。精悍なフロントマスク、傾斜したリアウインドウ、彫刻的なキャラクターラインなど、スタイリッシュなエクステリアは、ぜひ実車で確認してもらいたいこのクルマの美点です。

搭載されるエンジンは、1.5リッターの新開発ダウンサイジングターボで、トランスミッションは8速スポーツモードつきの“INVECS-III CVT”。駆動方式は電子制御4WDを採用しています。

スマートフォン連携ディスプレイオーディオや、カラーヘッドアップディスプレイ、各種アプリの操作が可能なAndroid Autoへの対応など、コネクティビティや安全性も追求。ヨーロッパではつい先日発売となり、日本にも近日導入予定とのことですが、待ちきれない方はぜひ一度、ショー会場でチェックすることをお薦めします。

◎日産「リーフ ニスモ」

2017年9月にフルモデルチェンジを実施し、2世代目へと進化を遂げたばかりのリーフに、ニスモバーションが登場。ホワイトのボディにレッドのアクセントをあしらった姿は、ニスモ仕様らしくスポーツモデルならではの凜々しさが漂います。

これまでのニスモモデルと同様、細部にわたるチューニングが加えられていて、専用チューニングのサスペンションや専用エクステリアを採用。さらに、瞬発力の高い加速フィールを提供するチューニングコンピュータを搭載するなど、スポーティな走りを追求しているそうです。

電気自動車というと、どうしても環境性能ばかりが取り上げられがちですが、ニスモなら走りの楽しさもきっと実現しているはず。1日も早い市販化を希望したいモデルです。

◎日産「セレナ e-POWER」

2018年春の発売が予定されている、セレナの“e-POWER”バージョンが参考出品車として登場しました。2016年にマイナーチェンジした「ノート」に初搭載されたe-POWERは、ガソリンエンジンにて発電した電力でモーターを駆動するシステムで、その力強い走りと低燃費が話題となりました。

エクステリアには、e-POWERの象徴であるブルーのアクセントが施されているほか、専用LEDテールランプなども採用。また、高速道路の同一車線に限って自動運転を実現する技術“プロパイロット”ももちろん搭載しています。

快適性や先進性、環境性能を兼備したセレナ e-POWER。ミニバンの購入を検討中の方は、会場でのチェックをお忘れなく。

SUBARU「XV ファンアドベンチャー・コンセプト」

コンパクトSUVの「VX」をベースに、アウトドア志向を一層高めたデザインコンセプトモデル。スポーティで都会的なスタイルはそのままに、ワイルドなイメージの専用オフロードタイヤや、迫力あるホイールアーチを装備。インテリアもデニム調ファブリックシートなどを採用しています。

こうした特別装備もさることながら、会場ではルーフ上にテントを設営するなど、遊び心あふれる演出も。「SUVは使ってナンボ」、「SUVは外で楽しんでこそ」という提案ですが、そんな使い方がしっかり板に付いているのも、XVが本格SUVだからかもしれません。

アクティブ&アウトドア派のSUBARUファンでなくても、「コレで出掛けたら楽しそう」と素直に思える1台です。

◎ススキ「クロスビー」

「冒険心を掻き立てる、パワフル&ダイナミッククロスオーバー」を謳う、参考出品モデル。事前に公開された写真では、人気の軽クロスオーバーモデル「ハスラー」のワイド版といった印象でしたが、なかなかどうして! 実車はしっかりしたSUVらしい力強さが感じられました。

抑揚のあるフェンダーライン、フェンダーアーチと繋がるサイドのモール、ワイドで丸みを帯びたバンパーなど、エクステリアはたくましくも愛らしいスタイルです。また、ボディは全長3760mm、全幅1670mmと、市街地でも扱いやすいサイズ。搭載されるエンジンは、1リッターの直列3気筒ターボ+マイルドハイブリッドという仕様です。

ショー会場には、クロスビーをベースに、都会的でオシャレなモードスタイルをイメージした「ストリートアドベンチャー」、キャンプシーンを連想させるアウトドア志向の「アウトドアアドベンチャー」も展示。すぐにでも販売できそうな仕上がりでしたから、コンパクトSUVを購入予定の方、もうちょっとの辛抱ですよ。

フォルクスワーゲン「UP! GTI」

一時は絶滅危惧種となっていた小さなスポーツハッチバック“ホットハッチ”ですが、近年は復活の兆しが見えてきました。そんな注目カテゴリーに、フォルクスワーゲンは同ブランドで最も小さなコンパクトカー「UP!」のホットバージョン「UP! GTI」を投入。今回、日本初公開となりました。

搭載するのは、排気量1リッターの直噴3気筒ターボで、最高出力は115馬力。若干、アンダーパワーの印象がありますが、ボディ重量は997kgと軽く、6速MTとの組み合わせですから、きっとスポーツドライビング派の期待に応える走りを見せてくれるでしょう。

そして、思わずニヤリとしてしまうのが、往年の「ゴルフ GTI」から受け継がれるチェック柄のシート生地。未来のモビリティに真剣に取り組みつつも、クルマ好きの気持ちにもしっかり応えるホットモデルも用意するフォルクスワーゲン。その対比はお見事というところでしょう。早く公道でその実力を試してみたい1台です。

フォルクスワーゲン「ポロ」

世界のコンパクトカーにとってベンチマークとなるポロの、6世代目モデルが日本初披露。ボディサイズは、欧州仕様で全長4053mm、全幅1751mm、ホイールベース2548mmと、従来モデルに比べてひと回り以上拡大されており、そのサイズアップには賛否があるのは事実。でも、室内空間やラゲッジスペースもしっかり拡大されており、ボディサイズが近い4世代目「ゴルフ」よりもスペース効率は向上しています。

かつてはベーシックカー的な役割も担ったポロですが、6世代目モデルではゴルフや「パサート」譲りの最新技術、つまり、最新の運転支援システムや安全装備、そして、新世代インフォテイメントシステムも搭載しています。

端正なエクステリア、先進的で質感の高いインテリアなどにより、クラスを超えたプレミアムモデルとしてのポジションをより確固たるものとした6世代目ポロ。もしかしたらライバルは、兄貴分のゴルフかもしれませんね。その完成度をぜひご自身の目でご確認を。

アウディ「A8」

アウディのフラッグシップサルーン「A8」の新型モデルが、ついに日本へ上陸しました。堂々たるサイズのボディは、アウディらしくエレガントで、都会的なたたずまいを見せます。

何より注目すべきは、生産モデルとしては世界初となる“レベル3”の自動運転システムを搭載していることでしょう。“Audi AI トラフィックジャムパイロット”と名づけられた同システムは、中央分離帯のある混雑した高速道路や自動車専用道路において、60km/h以下で走行中の場合、その国の法律の範囲内で自動運転が可能となっています。

もちろん、これはアウディが誇る先端テクノロジーのごく一部。モーターショー会場でその機能や真価を試すことはできませんが、新型A8を通して“未来のクルマ”の姿を垣間見ることができそうです。日本での発売は、2018年を予定しています。

アウディ「RS4 アバント」

アウディブースにおける、もうひとつの見どころとしてご紹介したいのが、新型「RS4 アバント」。どうしても“近未来推し!”となりがちなモーターショーですが、アウディはハイパフォーマンスモデルも忘れることなく出展車リストに加えてきました。

「A4」シリーズの頂点にして、「RS4」としては4世代目となる新型は、RSモデルの名に恥じない、群を抜く走行性能を実現しながら、高い実用性も融合。従来モデルからダウンサイズされたエンジンは、排気量2.9リッターの“TFSI”を搭載しますが、そのスペックは、従来モデルをしのぐ最高出力450馬力、最大トルクは61.2kg-mを発揮します。

羊の皮を被った狼、というと時代錯誤な感じがしますが、RS4のような超ド級モデルが見られるのもモーターショーの楽しみ。ちなみに発売は、2018年春の予定です。

(文/村田尚之 写真/田中一矢、SUBARU