速報:『Xbox One X』は11月発売、499ドル。開発名 Scorpio こと『史上最強ゲーム機』
ゲームイベントE3 2017で、マイクロソフトが最新の家庭用ゲーム機『Xbox One X』を発表しました。

新製品 Xbox One X は2013年発売の Xbox One (およびスリム版 Xbox One S)と互換性を保ちつつ、PS4 Pro をも超える高性能GPU や12GB広帯域GDDR5メモリ、ヴェイパーチャンバー液冷、4K UHD BDドライブといった強烈な性能と先進の仕様を備えたゲーム機。

2016年E3での初披露以来『Project Scorpio』として知られてきましたが、ついに正式名称『Xbox One X』が明らかになりました。

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全ゲーム機史上でもっとも高性能を謳う一方、意外にも史上最小の Xbox でもあります。




PS4 Pro対抗の新Xbox『Scorpio』スペック確定。6TF GPUに12GB RAM、VR対応のモンスターマシン

米国での発売は11月7日。以降、(日本を含む) Xboxのすべての市場で順次販売予定。

日本国内の発売日は未発表ですが、従来発表では海外と同じく2017年内であるとされてきました。

(更新: 日本マイクロソフトによると、国内販売は決定しているものの、現時点では米国などと同時の11月7日発売かどうか、年内かどうかも含めて未定。決定しだい、価格も含めて改めて発表予定とのこと。)


価格は499ドル。互換性のある従来モデル Xbox One S は米国で249ドルからに価格改定されたため、マシンパワーに応じてはっきりと住み分けた価格です。

PS4 Pro が意外にも保守的なハードウェア性能向上と巧妙な手法で4Kを実現しつつ、通常モデルと100ドルしか差がないのとは対照的。

マイクロソフトが繰り返す「6TFLOPs (テラフロップス)」は、GPUの演算性能を示す数値。グラフィック処理性能の一部の指標でしかありませんが、ざっくりいえば Xbox One が1.3TFLOPS、PS4は1.8、PS4 Pro は4.2。

4Kは単純に画素数だけでも従来のフルHDの4倍になりますが、PS4 Pro の GPU は PS4比で2.3倍程度。

現行世代のHDゲーム機は Xbox One も PS4 もフルHDですら必ずしもネイティブ描画しているわけではなく、引き伸ばしでない高解像度と豪華な画面と、60fpsの滑らかな描画はトレードオフの関係です。

PS4 Pro はそこから2倍ちょっとでまともな4K描画などできるわけがない、と思われつつ、チェッカーボードレンダリングなどハード+ソフト手法の合わせ技で、「疑似」ながら驚くほど説得力のある4K描画を実現しています。

Project ScorpioXbox OnePS4 ProCPU8カスタム x86コア 2.3GHz8カスタムJaguarコア 1.75GHz8 Jaguarコア 2.1GHzGPU40 カスタム CU (Compute Unit) 1172MHz12 GCN CU 853MHz (Xbox One S: 914MHz)36 改良版GCN CU 911MHzRAM12GB GDDR58GB DDR3/32MB ESRAM8GB GDDR5メモリ帯域326GB/sDDR3: 68GB/s, ESRAM at max 204GB/s (Xbox One S: 219GB/s)218GB/sストレージ1TB 2.5インチHDD500GB/1TB/2TB 2.5インチHDD1TB 2.5インチHDD光学ドライブ4K UHD Blu-rayBlu-ray (Xbox One S: 4K UHD Blu-ray)Blu-raySource: Microsoft / Digital Foundry

対するスコルピオ改め Xbox One X が連呼する「True 4K」は、このPS4 Pro の4Kは所詮ニセモノのなんちゃって4Kだと仄めかす表現です。

とはいえ、ネイティブ4Kを律儀に描いて6TFLOPsで足りるか?という話もあり、「本物の」4K の実力がどれほどか、「なんちゃって」4Kとプレーヤーから見て明らかに差が分かるのか、どれほど優位になるかがこれからの注目点です。

なお、GPUのTFLOPs つまり浮動小数点演算性能は指標にはなりますが、グラフィックを含むゲーム機の性能はCPU も RAMの量も、速さ(メモリ帯域)も重要です。

初代 Xbox One はメモリの量こそ8GBで PS4 と同じでしたが、遅いDDR3メモリ(+速いeSRAMを補助的にちょっぴり)を採用したため、メモリ帯域の狭さが泣き所でした。

Xbox One X では逆ギレ気味に弱点を克服して、PS4 Pro の1.5倍に達する326GB/s かつ、量も1.5倍の12GB (うちゲーム用領域9GB)を売りとしています。



E3 2017のステージでは Forza Motorsport 7 やアサシンクリード Origins など対応ゲーム42本を披露。うち22タイトルはXbox One独占(PCとマルチも含む)。





PCで人気沸騰中のPUBGことPlayer Unknown's Battleground は2017年内にXbox One「独占」でリリース。いわゆるコンソール時限独占で、いずれはPS4版も出るはず。

Xbox One X は 従来の Xbox One ゲーム、周辺機器と完全互換。4K表示に対応するほか、フルHDモニタでも、高解像度に描画してからスケールするスーパーサンプリングで画質が向上。RAMの量でロードが高速化など、Xの恩恵を受けられる。

後方互換のXbox 360ゲームは現在 385タイトル(米国)。新たに、初代 Xbox の後方互換プログラムも発表。

Xbox Oneが初代Xbox下位互換を発表。三世代対応ゲーム機へ - Engadget 日本版

提供はこの秋から。Xbox 360互換のように、対応タイトルが順次増える方式です。

当時のディスクが生きていればディスク互換。Xbox 360時代にダウンロードで買った場合、インストール可能リストに現れます。