先日「不倫釈明会見」を行って世間に恥をさらす格好となったイクメン議員こと宮崎謙介氏。とは言え、氏の場合は育休宣言最中での不倫ということでこれだけ大きな騒動に発展しましたが、政治家の不倫騒動は日本のみならず世界中で巻き起こっています。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、世界各国の政治家の不倫事情と国民の反応が紹介されています。

政治家の不倫、外国の事情は?

今回は、世界情勢とあまり関係ない話です。

毎日日本のニュースを追っていますが、今年は年初から騒がしいですね。ベッキーさんの不倫問題、スマップ分裂危機問題、清原選手麻薬問題などなど。で、今は「育休宣言議員」として知られる宮崎謙介さんの不倫が話題になっています。

ところで、政治家の不倫。他の国では、どんな感じなのでしょうか?

アメリカ、「不倫大統領=偉大な大統領?」

アメリカでもっとも有名な「不倫ヒストリー」は、ジョン・ケネディー大統領とマリリン・モンローさんでしょう。しかも、マリリン・モンローさんは、ケネディー大統領の弟ロバート・ケネディーさん(司法長官)とも不倫していたとか。

もう1人、比較的記憶に新しいのは、クリントン大統領とモニカ・ルインスキーさんの不倫でしょう。当時、クリントンさんの言葉、「不適切な関係」が流行語になりました。

ケネディーさんとクリントンさん。この2人は、ともに「不倫」で有名です。しかし、面白いことに、2人ともアメリカでは「偉大な大統領」と認識されている。

クイニピアック大学が2014年に発表した「戦後最良の大統領ランキング」で、クリントンさんは、18%で2位。ケネディーさんは、15%で3位。ちなみに1位は、冷戦を勝利に導いたレーガンさん(35%)でした。

クリントンさんはその任期中、「IT革命」でアメリカを空前の繁栄に導いた。ケネディーさんは、「キューバ危機」を乗り切った。というわけで、「私生活」の問題よりも「実績」が評価されたのでしょう。

イギリス、王族が不倫する

次、イギリスを見てみましょう。この国は、政治家より「王族の不倫」が有名です。一番有名なのは、「エドワード8世」の不倫でしょう。この方は、離婚歴のある人妻アメリカ人・シンプソン夫人と不倫関係になりました。

エドワード8世は1936年、独身のまま即位。しかし、シンプソンさんと結婚するために、王位を捨てています。シンプソンさんは離婚し、エドワード8世は王様を辞め、2人は、1937年に結婚しました。当然のことながら、イギリス王室に冷遇しつづけられた2人。はたして幸せになれたのでしょうか?

もう1人有名なのは、チャールズ王太子の不倫でしょう。1981年、美人のダイアナさんと結婚したチャールズさん。結婚前につきあっていたカミラさんと、実は別れていなかった。結果、不倫関係になってしまいます。これが問題で、1996年チャールズさんとダイアナさんは離婚。そして、チャールズさんは05年、カミラさんと再婚しています。最初から好きな女性と結婚しておけば、チャールズさんもカミラさんも幸せ。ダイアナさんは死ななくて済んだのかなと思うと、残念です。

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フランス、大統領が不倫しても問題にならない国

オランド大統領は、美人政治家ロワイヤルさんと「事実婚」の関係にありました。2人の間には4人も子供がいる。しかし、2人は別れ、オランドさん、今度はジャーナリストのヴァレリー・トリールヴァイレールさんと事実婚関係になりました(06年)。

ところが2014年1月、オランドさん、美人女優ジュリー・ガイエさんと不倫しているのがバレてしまいます。それでヴァレリーさんとの事実婚は解消されました。彼女はその後、暴露本を出版しています。しかし、不倫が原因で、「オランドは大統領をやめるべきだ!」という話にはならないのですね。フランスは、「そんなもん個人の自由」ということでおおらかです。

イタリア、金と女が大好きな首相

「この世ですべてを手に入れた男」といえば、イタリアのベルルスコーニー元首相でしょう。

まず、政治家として4回も首相になっている(1:94〜95年、2:01〜05年、3:05〜06年、4:08〜11年)。そして、「メディア王」として知られ、78億ドル(約9,360億円)の資産をもつ。まさに、「金」「地位」「権力」、全部を手に入れた。

「英雄色を好む」といわれますが、彼もまた「大の女好き」でしられています。1965年、カーラ・エルビアさんと結婚。2人の子供がうまれました。しかし、女優のヴェロニカ・ラリオさんと不倫関係になり、カーラさんと離婚。ヴェロニカさんと再婚しました。ヴェロニカさんとの間には、子供が3人います。

ところがベルルスコーニーさん、これで落ち着かなかった。09年、スキャンダルが発覚。18歳の下着モデル、ノエミ・レティツィアさんとの不倫。09年、ヴェロニカさんは、「夫の不倫」を理由に「離婚交渉」に入ったことを明らかにしました。

ロシア、報道されない…

「言論の自由がない」と批判されるロシア。特に、「大統領の私生活」について報じることは、「絶対的タブー」です。

そうなのですが、ロシアには、「誰も報じないのに、全国民が知っている『うわさ』」があります。それは、

・プーチンは、新体操の金メダリスト、アリーナ・カバエワさんとつきあっている
・プーチンとアリーナさんの間には、2人の子供がいる

というもの。実際どうなのか、報道されないので、関係者以外わかりません。ちなみにプーチンは13年、リュドミラさんと離婚したことを明らかにしました。

もう1つ、こちらは確かな話。クレムリンのペスコフ報道官。フィギュア・スケートのオリンピック金メダリストタチアナ・ナフカさんと不倫関係になった。このこと、国内メディアは一切報じないので、ロシア人はほとんど知りません。しかし、フランス人はみんな知っています。なぜかというと、ペスコフさんの奥さんが、フランスのメディアで真相を暴露したから。いわく「ディーマ(ペスコフさん)だけは、他の男と違うと思ってたけど、普通の男だった」。

ちなみにペスコフさんは奥さんと別れ、去年8月、ナフカさんと再婚したそうです(ロシアのメディアは、報じなかった!)。

以上、政治家の不倫、欧米ロについて書いてきました。王族、大統領、首相、まさに「不倫だらけ」の様相ですね。しかも、「不倫しても、辞職に追い込まれないケース」がほとんどです。ベッキーさんのケースを見ても、宮崎さんのケースを見ても、日本では不倫がバレて「人生終わった」感じになります。非常に「モラル面」で「厳格な国」ということができるでしょう。

image by: Shutterstock

 

『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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出典元:まぐまぐニュース!