日本でのポンプ車市場に参入し、海外でも飛躍をめざす=三一重工
中国でコンクリートポンプ車のトップ企業である三一重工の中国本社を訪ねる機会を得た。同社は、コンクリートポンプ車で、日本市場への参入を果たしたいと、その準備に余念がない。
■日本進出の狙い
三一重工の海外事業の担当者(周福貴董事)によると、同社売上高のうち、中国国外での売り上げは現在約10%。すでに世界110カ国以上に販路を広げているが、日本へはまだ参入していない。「5年後には日本のコンクリートポンプ車市場で30%のシェアを取り、国外での売り上げ割合を40%まで増やしたい」と目標を掲げた。国外では、インドネシアやベトナムなど東南アジアや、アフリカ諸国での販路拡大を目指している。
日本で使われているコンクリートポンプ車は、大型のものでも高さ36メートル程度。一方、三一重工はその2倍の最大72メートルの大型ポンプも生産可能だ。今後、日本でのポンプ車の大型化が見込めれば、日本市場進出の可能性が高まっていく。
周氏によると、三一重工が日本進出を目指す理由の一つは、「日本市場での販売実績があると、ほかの国でも販売しやすくなる」ということ。日本での販売実績ができれば、世界一品質管理が厳しいとも言われる「ジャパニーズ・スタンダード」をクリアしたことになり、同社のブランドイメージがアップするというわけだ。
■一流の品質を目指す
三一重工のマシンは、真夏のドバイの50度の暑さでも、真冬のモスクワのマイナス20度の寒さでも正常に稼動する。コンクリートを水平に運ぶ場合は、最大1キロメートル先まで運搬可能。著名な建築物での建設にも使用されることが多く、上海で建設中の超高層ビル「上海センター(高さ632メートル)」には、18台のコンクリートポンプ車が使われている。
三一重工グループの役員たちも、品質の高さに胸を張る。易小剛董事は、同社が1700件以上の知的財産を所有していることや、売り上げの5〜7%を研究開発に当てていること、ギネスブック認定の世界一巨大な72メートルのコンクリートポンプ車を製造していることなどを語り、「世界でも一流の品質を目指している」と力を込めた。
三一重工では、約6万3000人の社員のうち、約1万人が研究開発を行っている。中国国内だけでなく、アメリカやドイツ、インド、日本、ブラジルにも開発拠点を置き、それを本社で一元的に管理し、情報を共有しながら全社的に研究を進めている。
三一重工は日本市場への進出に意欲的だが、成熟した日本市場への参入は、容易ではない。向文波董事は「海外進出は南半球を重点的に考えている。日本市場への参入も検討しているが、参入は難しい」との認識を示し、具体的な参入時期などは明言を避けた。
向氏は「南米、アフリカ、中東のインフラはまだまだ遅れている」、「インドのインフラは中国より15年遅れている」と語り、途上国での販路拡大を示唆。成長を続ける三一重工が、今後どこまで世界に広がっていくか、注目したい。(おわり)(編集担当:西谷格)
■最新記事
福島原発事故でポンプ車を寄付した中国の「三一重工」の実力は?
IPO:原発事故で大型ポンプ車提供の三一重工、近く香港上場か
福島原発での作業に参加した中国人技師が語る「12日間の感想」
中国人技術者が福島原発の救援を語る「役に立ちたかった」
原発処理で活躍する中国製ポンプ車が「中国製」のイメージを変える
