東芝の次世代液晶テレビ「CELLレグザ」


「CEATEC JAPAN 20009」において、東芝の次世代テレビ「CELLレグザ」の全貌が明らかとなった。同社の現行の最上位機種をも凌ぐ圧倒的な高画質には、来場者も驚きを隠せないといった反応だ。

東芝では「CELLレグザ55X1」を12月上旬より発売開始する予定。価格はオープンプライスだが、市場想定価格は約100万円と一般の液晶テレビに比べてかなり高価格となっているわけだが、それだけの高画質を実現しているというメーカーの自信も伝わってくる。

これほどの高画質は、どのような技術で実現できたのだろうか。今回は、「CELLレグザ」にフォーカスしてみた。

■CELLプラットフォーム超解像技術
「CELLレグザ」の高画質を支えていたのは、新開発の「CELLプラットフォーム超解像技術」だ。
映像の中のテクスチャー部を緻密な映像に復元する従来の再構成型超解像技術に加え、自己合同性による超解像処理などにより、精細な映像を実現できる。

・エッジ部に対する自己合同性を用いた超解像処理
映像の中のエッジ部の映像を復元する際に、画像の自己合同性を用いた新技術を採用している。
これはZX8000シリーズなどにも搭載された技術で、エッジ部の周囲の部分から映像信号が近似した箇所を検出、抽出し、その画像を重ね合わせて新たな画像を生成することによって、より正確な補正を行っているのだ。

・色に対する超解像処理
デジタル映像は、明るさと色の情報で構成されており、通常のデジタル放送では色情報を明るさ情報の4分の1に圧縮してデータ送信を行っている。

色の超解像処理は、圧縮されて欠落した色情報の信号を東芝独自のアルゴリズムにより明るさ情報の2分の1まで復元し、豊かな色彩を再現している。細部にいたる色の情報量を増やすことで、輪郭部のにじみを抑制して鮮鋭に映し、画面全体の精細感を向上させているのだ。

・ネット映像やアニメに対する超解像処理
インターネットで配信される映像を大画面に映す場合、解像度不足や圧縮ノイズからボヤけた画像になってしまいがちだ。

そこで「CELLレグザ」では、低解像度のインターネット映像特有の圧縮ノイズを検出、分離して補正を行うとともに、超解像処理によって大画面に合わせた精細感のあるクリアな映像に再現する。また、アニメーション番組を検出して、輪郭部のノイズを低減する処理にも対応している。

■高コントラストを支える「メガLEDパネル」
「CELLプラットフォーム」で実現するさまざまな高画質化処理で得られた映像を映し出すためのディスプレイとして、新開発の高輝度LEDバックライトを使用した「メガLEDパネル」を採用している点も見逃せない。

・1,250cd/m2ピーク輝度と500万:1のダイナミックコントラストを実現
「CELLレグザ」では、1,250cd/m2ピーク輝度(ハイライト部の輝度)によって、まぶしいほどの白を実現した。
広範囲のバックライト輝度調整で表現される漆黒の闇までの広いダイナミックレンジで映像を鮮やかに描写することができる。さらに、ダイナミックコントラストとして500万:1を実現している。

・画面を512分割して緻密な制御を実現するLEDブロックアレイ
映像を際立たせるために、ディスプレイの画面を512分割(16×32区分)し、細部のきめ細かな制御を実現している。
これにより、従来の96分割に比べてより細かい制御が可能となり、光彩部と陰影部が隣接する輪郭描写において、いわゆる「キレ」のよい映像表現を実現することができた。

■なめらかな映像を実現する「Wスキャン倍速」
1秒で120枚の映像を映し出す倍速機能に加え、エリアを分割してバックライトを点滅させることで、人の目に記憶された1枚前の残像を低減する「Wスキャン倍速」を搭載している。
エリアの分割を従来機種(ZX8000)の2倍となる16分割とすることにより、なめらかで躍動感ある映像表現を実現しているわけだ。

「CELLレグザ」は、「CELLプラットフォーム超解像技術」「メガLEDパネル」「Wスキャン倍速」によって、従来の液晶テレビに比べて遙かに美しい映像を実現できたわけだ。

「CELLレグザ」製品情報
東芝

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