長崎市の子育て支援センター「もりのクレヨン」で開かれたトークイベント。

テーマは「食物アレルギー」です。

(ながさき食物アレルギーの会 ペンギン 益子 美沙子 代表)

「うちの息子の食物アレルギーの始まりは、なんと生後4か月」

子育て中のお母さんたちを前に話をするのは『ながさき食物アレルギーの会ペンギン』代表の、益子 美沙子さんです。

長男の裕也さんは、生後4か月の時に麦茶を飲んで “口の周りが真っ赤に腫れる” 食物アレルギーに。

その後は卵やトマトなど、多い時には15種類以上で発症するようになったそうです。

(ながさき食物アレルギーの会 ペンギン 益子 美沙子 代表)

「豆腐は、火の通し方をどうしている?」

(参加者)

「本で見たが電子レンジで温めた後、こしている」

(ながさき食物アレルギーの会 ペンギン 益子 美沙子 代表)

「お湯でグラグラ茹でた方がいいというドクターもいる。ぜひアレルギー専門医にかかってほしい」

会を立ち上げたのは、7年前。

自分と同じような悩みを抱える人たちを支えたいと、講演や相談会などを行っています。

(参加者)

「嘔吐が続いていて、アレルギーなのかなと疑っている。こういうところで気軽に相談できるのは、本当にありがたい」

(参加者)

「オムレツをちょっと(子どもに)あげたら、加熱はしっかりしていたつもりだったが、卵のアレルギーが出てしまった」

(ながさき食物アレルギーの会 ペンギン 益子 美沙子 代表)

「私たち自身、大人も含めて新規発症は十分あり得る」

そんな益子さん自身も、裕也さんを出産した後に食物アレルギーを発症しました。

(ながさき食物アレルギーの会ペンギン 益子 美沙子 代表)

「口の周りが赤くなって痛くなって腫れた。イガイガして変だなって気づいた」

原因となったのは、化粧品や食品などに使われる赤色の『コチニール色素』。

ほかにも里芋で発症したほか、つい半年前には黄桃でも症状が出たそうです。

(ながさき食物アレルギーの会ペンギン 益子 美沙子 代表)

「大人の食物アレルギーが突然始まることを知らなかったり、受診に結びつかない人の方もいるのではないかと、自分自身の経験で思った」

大人になってから発症も珍しくない “食物アレルギー”。

医療機関などを対象に行われた調査では、成人患者の約63%が、大人になってからの発症だそうです。

近年では木の実類での発症が増えていて、消費者庁はことし4月、加工食品のパッケージなどに表示を義務づける「特定原材料」に、「カシューナッツ」を追加。

現在は、えびやクルミ、そばなど、9つの原材料が指定されています。

食物アレルギーは、花粉症との関係も。

(長崎大学病院 皮膚科・アレルギー科 松本 舞 医師)

「花粉からの関連に関しては10代、20代、30代、割と若めの方で起こることが疫学的には多いと言われている」

長崎大学病院の松本 舞医師によりますと、スギやヒノキなどの花粉の抗原と似た野菜や果物を食べた時に、発症することがあるそうです。

関連が報告されている食物はトマトやモモ、スイカのほかマスタードなどの香辛料も。

症状の多くは、口の中のイガイガといった違和感や皮膚のかゆみなどですが、まれに呼吸困難や意識障害など重い症状を招くこともあるそうです。

(長崎大学病院 皮膚科・アレルギー科 松本 舞 医師)

「そういった症状がある人は致命的。日常で、すぐ注射が打てる “エピペン” という注射の薬があるが、それを打ってもらう、アナフィラキシーの人は持ってもらうように処方している人が多い」

病院では、血液検査や抗原を注入する皮膚検査などを行っていますが、発症までに数時間かかるものや、食後の運動で発症するものもあり、アレルギーが疑われる場合は、診察が可能な医療機関を受診してほしいと話します。

(長崎大学病院 皮膚科・アレルギー科 松本 舞 医師)

「何を食べて症状が出るか。どのくらいの時間が経って出るか。そういったことに気をつけて、病院を受診したときに伝えてもらいたい。それに関する検査はできるので、記録してもらうことが重要」

長崎大学の非常勤講師も務めている益子さん。

この日は、教員を目指す1年生の調理実習を担当します。

(ながさき食物アレルギーの会ペンギン 益子 美沙子 代表)

「もし食物アレルギーの書類で “キウイ” と書いている児童や生徒がいたら、手袋にも配慮しましょう。

天然ゴムのラテックスも触れたりしたら、赤くなったり、発疹ができたりする可能性がある」

作ったのは、チャーハンや筑前煮など 6品。

白い麻婆豆腐は、食物アレルギーに配慮して豆板醤を使わないレシピで作りました。

(ながさき食物アレルギーの会ペンギン 益子 美沙子 代表)

「どうぞ味わって。感想は…」

(生徒)

「おいしい」

(ながさき食物アレルギーの会ペンギン 益子 美沙子 代表)

「食物アレルギー配慮(の料理)でも、おいしいという発見を、食物アレルギーを持っている児童生徒とクラスメイトに体感させる良いメニュー」

学生に伝えるのは、メニュー作りだけでなくアレルギーへの不安に寄り添う思いです。

(学生)

「アレルギーは食べ物だけでなく、身の回りのものにもたくさんあるから、(調理以外)の機会にも気をつけることはたくさんある」

(学生)

「私はキウイとメロンを食べたら、喉が苦しくなるというか、イガイガする。しっかりシミュレーションした上で、調理実施を行うといいかな」

(ながさき食物アレルギーの会ペンギン 益子 美沙子 代表)

「親や本人だったら、アレルギー当事者、家族の立場だったら、どう感じるかな、どう思うかなと、違う立場に一度自分を置いてみて考えて、その上で準備から始めてほしい」

講演や授業を通じて、食物アレルギーとの向き合い方を伝え続ける益子さん。

目指すのは、患者や家族が安心して暮らせる社会です。