予備校講師の土井昭氏が出演するYouTubeチャンネル「世界史解体新書」が、「【ヨーロッパ】移民を招いて移民に滅ぼされたローマの実態!ゲルマン人に学ぶ国家の亡し方」を公開した。動画では、歴史上の大事件である「ゲルマン人の大移動」を紐解き、ローマ帝国滅亡の真の要因が、自ら招き入れた移民であったという事実を解説している。

土井氏はまず、ゲルマン人の大移動に対する「突然侵入してきた野蛮人にローマが滅ぼされた」という一般的なイメージは大きな勘違いであると指摘。「ローマ自身がゲルマン人を招いていた。その結果がローマ帝国の滅亡だった」と語る。パクス=ロマーナ(ローマの平和)を享受していた当時のローマ帝国では、少子化による労働力不足が生じ、命の危険を伴う兵役を嫌う人々が増加した。そこで、労働力や傭兵として合法的にゲルマン人を受け入れたことが事の発端となった。

やがてアジア系の遊牧民であるフン人の侵入により、ゲルマン人の本格的な移動が開始される。しかし彼らは武力で国境を破ったわけではなく、ローマの許可を得て移住してきた合法移民であった。ところが、与えられた土地の劣悪さや役人の圧迫に不満を抱いたゲルマン人が反乱を起こす。すでに軍の主力をゲルマン人傭兵に依存していたローマはそれを鎮圧できず、結果として西ローマ帝国は滅亡へと追いやられた。

さらに土井氏は、この大移動がヨーロッパ社会にもたらした影響について言及する。都市や商業、貨幣経済が破壊され、物々交換の自然経済へと逆戻りしたことで、「1500年間ヨーロッパは停滞を続ける」ことになったと解説。歴史上の出来事にとどまらず、安易な移民受け入れがどれほど甚大な社会の混乱を引き起こすのか、現代の社会問題にも通じる教訓として結んでいる。