より攻撃的に! センセーショナル・スーパーカー『フェラーリ296スペチアーレA』(1) パワーウエイトレシオは1.69kg/ps
カスタマーも常に大きな期待
2025年4月、フェラーリは『296GTB』、『296GTS』の高性能版となる『296スペチアーレ』、『296スペチアーレA(アペルタ)』を発表した。
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ニューモデル誕生から数年後というタイミングで、そのパフォーマンスをさらに高めたスペシャルモデルをリリースするのは、フェラーリに限らずスーパーカーブランドにとっては現在では一般的な商品戦略となっており、カスタマーもまたそれに対して常に大きな期待を抱いているのは確かなところだ。

フェラーリ296スペチアーレA AUTOCAR
296スペチアーレと206スペチアーレAのデリバリーは、前者が2026年の初頭に、後者は2026年の第2四半期にスタートしている。今回ステアリングを握ったのは、296GTSがベースとなる296スペチアーレA。まずはそのエンジニアリングのハイライトを解説しておこう。
生み出されたより攻撃的な表情
296スペチアーレAのボディは、296GTSの基本的なシルエットはそのままに、さらにエアロダイナミクスの最適化を狙ったものだ。フロントマスクは、大型のエアインテークやF1マシン由来のSダクトを備えるバンパースポイラーの採用などで、より攻撃的な表情が生み出された。
さらにカーボンファイバー製サイドスカート、リアバンパーから立ち上がる垂直フィン、大型化された可変式リアスポイラーやディフューザーなど、特徴的なディテールは多い。

フェラーリ296スペチアーレA AUTOCAR
フェラーリによれば250km/h時に得られるダウンフォースは、オートマチックで開閉が可能なリトラクタブル式のハードトップを閉じた状態で、435kgにも達しているという。
クーペボディの296スペチアーレと比較すると、296スペチアーレAのウエイトは80kgほど重いが、ボディパネルの多くをカーボンファイバーで構成しているため、ベースとなった296GTSに対しては50kgも軽い数字が実現されていることも見逃せない。もちろんこの軽量性の実現には、ほかにもさまざまな理由があるのだが。
エンジン重量は296GTS比で9kg削減
ミドシップに搭載されるパワーユニットは、120度のバンク角を持つ、3LのV型6気筒ツインターボ(F163型)エンジンに、エレクトリックモーター(MGU-K)を組み合わせたものだ。
エンジン内部の構成部品はその多くが見直され、チタン製のコンロッド、強化ピストン、軽量化されたクランクシャフト、エンジンブロック、シリンダーヘッド、そしてこちらも専用のターボチャージャーハウジングなどが採用された。

フェラーリ296スペチアーレA AUTOCAR
参考までにエンジンの重量は296GTS比で9kg、ターボチャージャーハウジングも1.2kgが削減されている。最高出力として発表された700psは同様の比較で37psの向上に相当するもの。
これに組み合わされるエレクトリックモーターは、ドライブトレインコントローラーで『クオリファイングモード』を選択した時には180psを発生。システム全体の最高出力は880psとなり、パワーウエイトレシオは1.69kg/psという計算結果が得られる。ミッションは8速DCTと296GTSのそれに等しいが、そのシフトスピードはさらに高速化されている。
サスペンション、電子制御デバイス、タイヤなどにも進化の跡
296スペチアーレAでは、サスペンションや電子制御デバイス、タイヤなどにも進化の跡が伺える。
296GTSとは異なりチタン製のスプリングが用いられ、車高はさらに5mm低下。ダンパーはサーキット走行を想定した固定レートのマルチマティック製となり、よりアグレッシブなホイールジオメトリーが設定される。

フェラーリ296スペチアーレA AUTOCAR
ただしフェラーリのコンフィギュレーターではあまり強調されていないが、オプションでノーズリフターを装備した場合には、サスペンションは296GTSのアセット・フィオラノ仕様と同様の、スチール製スプリングとマグネライド・アクティブダンパーの組み合わせとなる。
そもそも296スペチアーレAをオーダーするカスタマーの多くが求めるのは、よりスパルタンな走りであるはず。より軽量でサーキット走行にフォーカスしたセッティングを彼らが望むのは間違いない。
*センセーショナル・スーパーカー『フェラーリ296スペチアーレA』(後編)に続きます。
