【安田記念】武豊 JRA最年長G1勝利記録更新 急きょ乗り替わりで混戦制す「いい後輩を持ちました」 シックスペンスG1初制覇
「安田記念・G1」(7日、東京)
大混戦のゴール前。栄冠をつかんだのはシックスペンスだった。7度目のG1挑戦で、ついに念願のタイトル奪取に成功。見事にエスコートした武豊はJRA・G1通算85勝目。57歳2カ月24日での勝利は、横山典が持つJRA・G1最年長勝利記録を更新した。安田記念V4は川田と並び最多勝。また、8番人気、単勝21・6倍は武豊自身、最も人気薄でのJRA・G1勝利となった。2着は逃げた7番人気ワールズエンドと、最速上がりで猛追した1番人気ガイアフォースで同着となった。
梅雨入りしたばかりの曇天を切り裂くような、名手・武豊の鮮やかなエスコート。不振にあえいでいたシックスペンスを完全復活させ、悲願となるG1の頂へと導いた。
勝利の鍵は二つ。まず一つ目は初ブリンカーにあった。レース前、田中博師との打ち合わせでは「前めのポジション取り」で一致。何なら「ハナを切ってもいいくらいの気持ちだった」と振り返ったユタカ。「ブリンカーが効き過ぎているかな」と思うほどの行きっぷりで絶好の2番手を確保すると、抜群の手応えを感じながら直線へ。坂下でワールズエンドの外に出して勝負を懸ける。「前は止まらないし、後ろからも来ている。何とか頑張ってくれと」と相棒を懸命に鼓舞。大激戦のゴール前、最後の一完歩で勝利をたぐり寄せた。
そして、もう一つの鍵は武豊とのコンビ結成。鞍上が当初騎乗予定だったアドマイヤズームの回避により、レース4日前に急きょ決まったタッグ。田中博師とは「騎手時代から仲良くさせてもらっていた」というユタカ。「あまり乗せてくれなかったけど、ここ一番で乗せてくれて。いい後輩を持ちました」と自身のJRA・G1・85勝目、そして横山典の記録を塗り替える最年長G1勝利に満面の笑みを浮かべた。
「素晴らしいのひと言です」と先輩の手綱さばきを絶賛し、「豊さんと勝てたのもうれしい」と笑った指揮官にとって、シックスペンスは3月に引退した国枝師から引き継いだ馬。前走のマイラーズCは手探り状態で結果を出せなかったが、転厩2戦目で答えを出した。国枝師が大事に育ててきたベースの上に「味つけをした感じ」とトレーナー。最適な調整方法を模索した先に出た好結果に「私自身、感動のレースでした」と感無量だ。
初ブリンカー、転厩2戦目の上積み、そして急きょ実現したレジェンド武豊の手綱−。シックスペンスの名の通り、自身の運気を好転させる幸運のチャームが結実した勝利だ。これを機に、もう一段階先のステージへ。曇天の上には澄み切った青空が広がっている。
