固定資産税の課税ミス、全国自治体の 94%で発生……通知書の明細は必ず確認すること
2024年度に全国自治体の94%で固定資産税額の修正が発生していたことが明らかになった。土地と家屋それぞれで約5万人が対象。
納税義務がある人のうち0.1%ほどではあるが、計算上、毎日のようにどこかの自治体で課税ミスが見つかっていることになる。
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋(建物)を所有している人に対し、市区町村が課す地方税。税額は評価額(固定資産税評価額)を基に計算される。
評価額は3年ごとの見直し(評価替え)が実施される。この見直しにより、現在の地価や建築物価を反映した新しい評価額が3年間適用され、税額が変動する場合がある。2024年に評価替えが行われたので、次回は2027年の来年だ。もし来年4月以降、届いた通知書を見て税額に疑問点があれば、すぐに自治体窓口に問い合わせたほうがよい。
固定資産税は戸建てだけではなく、もちろん、マンション(集合住宅)も対象だ。新築には5年間の軽減措置があり、それが過ぎると税額が大幅に上がる。また、タワーマンションの場合、上層階ほど評価額が高くなり、税額も上がる仕組みになっている。
あるマンションでは税金を払いすぎていると気づいた人がいて、税理士が調べたところ、マンション400世帯すべてに10万円ほど税金が戻ってきたケースがあった。やはり、少しでも疑問に感じたら、声を上げるべきなのだ。
複雑な税金制度
では、なぜ、自治体の課税ミスが発生するのかといえば、そもそも税金の制度自体が細かくて難しすぎるのだ。
課税ミスは「評価ミス」なのだが、評価をするためのマニュアルがあり、これがかなり複雑だ。例えば、建物の固定資産税は、すべての部材を点数化して、その評価額を算出するのだが、壁は石材かモルタルかコンクリートか、その材質や仕上げ方によって細かく点数が決まる。温水便座は下の陶器の部分と上がセパレートされていて、便座と便器にも明確な基準があるという。
そして、固定資産税は、住宅用地は実際の6分の1で計算されるなど多くの特例があり、特例の適用漏れが起きるケースもある。
一般論として、建築から年数が経つと建物の評価額は下がり、税額も下がる。しかし、NHK「クローズアップ現代」によれば、ある税法専門の弁護士には「古い建物の評価額が高すぎる」という相談が多数寄せられているという。この弁護士は、建物の状態がひどい場合、損害や消耗をさらに加味して減額すべきだと裁判で争い、最高裁で勝訴した。
もし、今年中にリフォーム(耐震、省エネ、バリアフリー)や二世帯住宅への建て替えなどの予定があるならば、来年は固定資産税が減額になる可能性があるので、注意してほしい。
文/横山渉 内外タイムス
