街中に貼られた捜索の張り紙

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 京都府南丹市で行方が分からなくなっていた安達結希(ゆき)くん(11)が遺体で発見された事件。4月16日未明、結希くんの義理の父・安達優季容疑者(37)が死体遺棄容疑で逮捕された。義父は事情聴取に対して、「私のやったことに間違いありません」と容疑を認め、さらに殺害も認める供述をしているという。

【安達容疑者の写真】→卒業アルバムに掲載されていた「笑顔写真」

 容疑者は、結希くんの母親の職場でもある京丹波の工場で働いており、昨年12月に再婚。4世代が暮らす安達家で、親族らと同居生活を送っていた。

警察が行ったピンポイント捜査

 3月23日に結希くんが行方不明になってからのおよそ3週間、山間の静謐な地域は喧噪と不安に包まれていた。

 警察や地元消防団はのべ1000人以上を投入して周辺の山中やため池などを捜索した。早い段階から私服の捜査員が付近の焼却炉のなかを確認する姿も目撃されたという。

 3月29日には、園部小学校から西に約3キロ離れた山中のガードレール脇で、結希くんが使用する黄色の通学用リュックが見つかった。また4月12日には自宅から北に約3.6キロ離れた山中で結希くんが行方不明になった際に履いていたものとよく似たスニーカーが発見されていた。

 遺体が見つかったのは、スニーカーの発見現場からさらに6キロほど離れた山中だった。この近くに住む男性が語る。

「4月13日の夕方に警察の車が数台現われて、捜索を始めました。遺体が見つかったのは地元の人間が山中の抜け道としてたまに使う道の周辺で、通常は人が通ることはなく、地元民である結希くんが迷い込んで遭難したとは到底考えられません。地元消防団も一時は捜索で立ち寄ったものの、"まさかこんなところに"という気持ちで、しらみつぶしには調べなかったようです。

 そんな場所を警察が遺体発見現場としてピンポイントで捜索したので不思議に思いました」

母親の再婚で家族関係に生じた変化

 最悪の結末を迎えた事件は地元住民に大きな衝撃を与えた。子供が結希くんと同じ小学校に通う保護者が肩を落としてつぶやく。

「結希くんは年下の子からも『ゆきくん』と呼ばれて仲良く遊ぶとてもいいお子さんで、うちの子も学年は違いますが一緒にサッカーをして遊んだことがあります。今回の件が、地域の子供たちに与える影響がすごく心配です」

 結希くんが2歳の頃から親交があるという女性はこう語る。

メディアでは明るくて活発な子と報じられていますが、幼い頃の結希くんは大人しくて言葉が少ない子でした。亡くなったおじいちゃんに顔がそっくりな、お母さんの後ろをひょこひょことついて歩く大の甘えん坊。おじいちゃんとおばあちゃんに溺愛されてよく家の周りを一緒に散歩していました。

 その一方で動物や昆虫が大好きで、私はよく一緒に結希くんの自宅近くの裏山で遊びました。山で遊んでいる時の結希くんはいつも大はしゃぎでした」

 結希くんの自宅の奥には明かりのない別荘が数軒立ち並んでいてひと気がなく、山林には草木が生い茂っている。

 結希くんは小さい頃からそうした風景に慣れ親しんでいただけに、失踪発覚時には違和感を抱いたとこの女性が続けて語る。

「この辺りはいつ迷子になってもおかしくなく、下手したら帰ってくるのに2〜3時間もかかる深い山ばかりです。結希くんは小さい時からそんな山に慣れていて、どれほど危ないかもわかっているから判断がつくはず。だから事件を知って、"ひとりで山には行かんやろ"と思っていたのですが……」

 現場となった南丹市は、京都市街から車で1時間ほどの場所にあり、四方を山々に囲まれ、田んぼと杉林が土地を覆う。

 結希くんが山深いこの地域に引っ越してきたのは園部小に入学する少し前だったという。近隣住民が語る。

「お母さんは東京で美容師をしており、そこで知り合った男性と結婚してその男性との間に結希くんを授かったそうです。しかしすぐに離婚して、やがて東京での暮らしが厳しくなったので幼い結希くんを連れて実家に戻ってきたと聞きます」

 ただ、都会で暮らしてきた母親にとって、すぐに地方の生活に慣れるのは難しかったようだ。結希くんが幼い頃から一家と知り合いだったという男性はこう話す。

「このあたりは狭いコミュニティなんで、『離婚したらしいよ』というような話が周りに伝わるのは早いんです。お母さん自体があまりおしゃべりをするタイプではなかったですね。

 地域とも深く関わろうとするタイプではなかったと思います。たしかにここは交通の便が悪かったり、濃厚な近所のお付き合いがあったりと、そういうのが苦手な人にとっては住みにくいところがある地域かもしれない。お母さんにも複雑な気持ちがあったのかもしれませんね」

 そんな結希くんの母の実家は代々続き、広い田畑を持つ農家だ。結希くんは同居する曽祖母、祖母、母親の3世代に可愛がられて暮らしていたが、昨年末、家族関係に変化が生じた。

「京丹波にある工場で働いていた結希くんのお母さんがそこで知り合った男性と交際を始め、昨年の暮れに再婚したんです」(同前)

ビラ配りでの冷静な態度を見て「気になっていました」

 勤務先の工場でも2人の仲は睦まじかったようだ。工場関係者が語る。

「はっきりと交際を宣言していたわけではないけど休憩時間に一緒にいることが多く、2人が恋仲なのは薄々勘づいていました。確かコロナが明けた頃に大阪に行く日帰りの社員旅行があり、お母さんはまだ小学校低学年だった結希くんを連れて参加して、のちに夫になる男性社員と3人で仲良さそうに過ごしていました。だから結希くんも"新しいお父さん"には懐いていたんじゃないかな」

 結希くんの遠縁の親族はこう話す。

「失踪がわかって捜索に加わっていたら、結希くんのお父さんとお母さんが『お世話になります。よろしくお願いします』とわざわざ挨拶してきました。2人は警察に出向いたと聞いていますから、捜索にも協力していたはずです」

 結希くんの家族や親族と親交のある知人男性もこう語る。

「誰からとは言えませんが、いなくなった翌日くらいに結希くんの家族から『捜索とかいろんなことで迷惑かけるし、ごめんな』と電話があって、僕にとっては実の家族みたいなもんやから、『そんな謝らんで』と励ましました。結希くんはまだまだ子供です。お母さんと反りが合わないみたいな噂も出ているけど、僕はそんなことはないと思う。まだまだママ大好きの子供で、そんな結希くんをご家族はみんな愛していました」

 一方で、こんな証言もある。園部町の消防団関係者はこう話す。

「お母さんとお父さんが結希くんの捜索願に関するビラを持ってきた際、お母さんは挨拶してくれたのですが、お父さんは黙って頭を下げただけだったのが気になっていました。動揺して話す気になれなかったのかなと思っていたのですが、捜索時には、お父さんはとても冷静に対応していました」

 行方不明からおよそ3週間で遺体が見つかり、家宅捜索、そして義父の逮捕――ここから事件の真相に向けた捜査が進むことになる。

週刊ポスト2026年5月1日号

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