「口外しないように」フジテレビが女子アナに”タクシー移動厳命” 経営体制見直しとは程遠い“内情”

「社外に口外しないように」
1月23日、フジテレビ社員向けに行われた説明会ではそう通達されたという。
元SMAP中居正広氏(52)の芸能界引退にまで発展した女性トラブル。一部週刊誌でフジの編成幹部A氏の関与が疑われると、フジの企業風土ごと問題視されている。
すでに75社以上のスポンサーがCMの差し止めを決め、一部から返金請求や契約の前倒し終了を求める声まで上がっているという。そうした未曾有の危機的状況のなか、ようやく開催されたのが社員向け説明会で、リモート出席者を含めると1000人以上が参加もしくはリアルタイム視聴した。そして注意事項として冒頭の“かん口令”が敷かれたというが……。
説明会では日枝氏含む経営陣の退陣を求める声
「局員の不満は限界に達している。この状況下で外部に漏れないと思っているのか」
とは参加したフジ現役局員だ。説明会では同局の港浩一社長が1月17日の“内向き”な記者会見について
「終わってから“失敗した”と思った」
と述べ、場内からは怒りを通り越してタメ息が漏れる場面も。A氏に関する質問も飛んだというが、圧倒的だったのは経営陣の刷新を求める意見だった。前出の局員の話。
「“ダメダメ会見”で火に油を注いだ港社長の辞任は既定路線。問題は“フジテレビのドン”日枝久氏(取締役相談役)のクビまで届くかどうかという点だけだ。日枝氏が権力を手放さない限り、フジは変わらない。説明会では日枝氏含む経営陣の退陣を求める声が上がり、場内から拍手が鳴り響いた。こんなこと今までになかった」
日枝氏は「フジテレビの天皇」とも呼ばれ、1988年にフジサンケイグループ初代議長・鹿内信隆氏の長男春雄氏の死去後、社長さらに会長になり、フジテレビのトップの座に君臨してきた。’17年に相談役に退いた後も院政を敷いているとされる。政財界に豊富なパイプを持ち、局内では日枝氏に触れることはタブー視されているきらいもある。
おまえらマスコミにしゃべるなよ
「経営陣はこれ以上騒動が拡大し、日枝体制が崩壊することを恐れている。口では『経営体制の見直し』と言っているが、眉唾だ。結局、中居さんと港さんを切って終わりではないか」
とは別のフジ局員。
先日、フジ上層部から所属アナウンサーに対し、移動の際のタクシー移動が厳命されたという。表向きはマスコミの取材対象が自局のアナウンサーにまで広がっていることを踏まえ、“身内を守る”姿勢を打ち出したとしているが、これには別の狙いもあるという。
1月16日発売の週刊文春では、フジの女性アナウンサーが仮名で取材に答え
《私もA氏に“献上”されました》
と衝撃告白したことで話題となった。局内関係者によると
「実はアレ、現役の女性アナウンサーなんです。バレて処分されることも厭わない、覚悟の告白だったそうです。あそこからフジの“上納文化”が一気に騒がれるようになり、スポンサー企業の対応が一段と厳しくなった。アナウンサーの“タクシー移動義務化”は、ようは『おまえらマスコミにしゃべるなよ』ということなんですよ」
という。港社長ら経営陣は27日に再び記者会見を行う。今度は時間無制限・フルオープンで開催されるという。
改心したのかと思いきや、フジ・メディア・ホールディングスの株式7%超を保有する米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」からの“圧力”や、フジの労働組合が期日(27日)までの再会見を強硬に求めたことが主因だという。
とはいえ、立ち上げたばかりの第三者委員会の結果が出るのはまだ先。厳しい質問が来れば
「第三者委員会の調査が……」
の“お決まりフレーズ”で逃げることも考えられる。前出のフジ局員は
「結局、お茶を濁されて終わるんだろうな……」
と力なく語っていた――。