タイプライターメーカーの倒産、日本の製造業がたどった軌跡と重なる
しかし、リーマン・ショックを機に、主要大手顧客が生産拠点を海外へ移し、EMS事業の大型案件が徐々に減っていった。加えて、極端な円高により多額の為替差損が発生。金融機関から勧められたデリバティブ取引で、急激な円高から多額の損失を被り資金繰りが逼迫(ひっぱく)。2011年には金融機関に対しリスケジュールを要請する事態に発展した。
その後もインドネシア子会社からの資金融通でなんとか事業を継続していたが、同子会社も人件費等の高騰が収益を圧縮し、昨年末には操業をいったん停止していた。今年1月25日以降の資金調達が困難となり、中島オールプリシジョンは、関係会社の中島オール、太平日産とともに31日に再生手続き開始決定を受けた。
時代の変化へ懸命に対応を図り、全社一丸となって経営維持に努めてきたプリシジョン社の96年の歴史は、日本の製造業者がたどった軌跡に多く当てはまるだろう。
(文=帝国データバンク情報部)
<企業概要>
中島オールプリシジョン(株)
住所:東京都中央区日本橋箱崎町25―7
代表:後藤宏文氏
資本金:3000万円
年売上高:約16億8300万円(18年7月期)
負債:約11億3783万円(3社合計で約48億5298万円)
