米国の自動車業界向けマーケティング企業のJDパワーが8月に発表した日本の自動車セールス満足度調査の結果で、総合的な満足度が前年の調査に比べてやや減少したことが明らかになった。別に発表された中国における調査でも満足度が低下したとのことだが、その理由は両国間で異なっていたようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 米国の自動車業界向けマーケティング企業のJDパワーが8月に発表した日本の自動車セールス満足度調査の結果で、総合的な満足度が前年の調査に比べてやや減少したことが明らかになった。別に発表された中国における調査でも満足度が低下したとのことだが、その理由は両国間で異なっていたようだ。

 中国メディア・捜狐は15日、「日本の自動車販売員はいったい何が優れているのか」とする記事を掲載した。記事は、自動車セールスの満足度が低下した背景について、日本では価格的な要因があったのに対して、中国では「割引が増えているにも関わらず、満足度が下がった」と解説。そこには、両国間における自動車販売員のクオリティの差があると指摘している。

 そのうえで、中国の販売員に不足し、日本の販売員が持っている素養について紹介している。まず、日本の販売員は自身の仕事に対する奉仕の心や、価値を見出そうとする探求心をより多く持っているとした。また、親身になって客に接する姿勢も、サービスの質とともに顧客満足度を高めるポイントであるとも説明した。

 さらに、賞賛を得た時はもちろんのこと、不満や文句を言われたり厳しい要求を突き付けられたりした時にも穏やかで寛容な姿勢を見せ、しっかりと傾聴するという点も、日本の販売員が備えている素養であるとしている。

 記事は最後に、「自動車販売サービスレベルの向上は一朝一夕の話ではない」とするとともに、「顧客を中心に据えて日本の優れた理念をまじめに学んで実践することができれば、余計なカーブを曲がる必要も少なくなるのだ」と論じた。

 さまざまな業界におけるサービス精神の向上は、中国が今まさに取り組んでいる大きな課題と言える。そのためにはサービスを提供する側の意識改革が必要であり、単に「金を稼ぐ手段」という考え方から、客を満足させるとともに自身も成長するという姿勢へと変わっていくことが大切だ。落ち度を指摘されると言い訳し、挙句の果てには「逆ギレ」するような態度では、顧客満足度はいつまでたっても上がらない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)