【貯金】FPが教える、「何もしないのに“勝手にお金が貯まる人”」になる5つの方法

写真拡大

今年こそ貯金をしよう!と思いつつもう1カ月が経ってしまった……とお嘆きのあなた。お金を貯めるには努力や苦労ではなく「自動的」にすることが一番です。

“オタク係数”○%以上はキケン!? FPが教える「お金と趣味」の理想バランス

5つの自動的にお金を貯めるしくみを紹介しましょう。これであなたも自動的にお金が貯まる人生に早変わりするかも!

お金を貯めたければ「自動化」が一番効果的である

2016年も早くも12分の1が経過してしまいました。ちょっと前に正月だと思っていたら、もうちょっとで12分の2が過ぎてしまいます。恐ろしいスピードです。

もし、「今年こそはお金を貯めよう!」と年始に決心していたはずが「結局まだ1円も貯められていない!」と嘆いている人がいたら、それはやり方そのものが間違っているのかもしれません。

「節約生活を過ごし、給料振込日の前日に残っていたお金を貯める」
とか、
「給与振込口座からお金をおろして別の銀行にお金を入金して貯める」
みたいなやり方は、たいていの場合うまくいきません。

「面倒」「ガマン」「苦痛」のようなものが介在する貯蓄計画を断念してしまうのは自然なことだからです。自分を責める必要はありません。

お金を貯めたいと思うのであれば、「日々高い意識を持つ」のではなく、「自動的」にお金が貯まるしくみを講じておくだけでいいのです。

より具体的にいえば、「自動的にお金が給与振込口座から別の口座に入金されるしくみ」を作る、ということです。

具体的には5つのやり方が考えられます。今回は一気にご紹介してしまいましょう。

5つの制度を使って、自動的にお金を貯めてみよう

1.積立定期預金

一番簡単でシンプルなのがこれです。給与振込口座の銀行が取り扱っている定期預金に毎月一定額を振り替えていくしくみです。ほとんどすべての銀行が取り扱っています。

超低金利時代ですから利息には期待できませんが、ムダづかいで消えていくより確実にお金が積み上がります。

2.積立投資信託(NISAも使える)

株式や債券で資産運用するとき5000円や1万円程度の少額の指定金額で購入することもできます。この場合、投資信託というしくみを用います。ネットバンキングの設定をしておくと、給与振込口座以外の金融機関(証券会社等)へ資金移動することも可能です。

また、運用の利益が非課税になるNISA口座で積立投資を行えばより有利な運用になります。

3.社内持ち株会

働いている会社の株を、社員が購入できるしくみが持ち株会です。給与の一定額ないしボーナスの一定額を指定し積立をしていきます。会社が引き落とししますので給与振り込み時点で積み立ては完了しています。

実際に株を買える金額以下でもよく、その場合は株価に応じて持ち分(今月は0.3株分取得のように)を積み上げていきます。

4.財形貯蓄制度

会社が財形制度を用意している場合、これを利用することで給与振込の時点ですでに貯金したことにできます(会社が直接、金融機関に入金してくれる)。

一般、住宅、年金の3タイプがあり、住宅購入目的、年金受取目的の場合は利息が非課税になります(金額上限は550万円)。基本的には銀行の預金で積み立てられます。

5.確定拠出年金

会社が企業型の確定拠出年金を実施していてマッチング拠出(自分のお金を追加入金するしくみ)を採用しているか、個人型の確定拠出年金(企業年金のない会社員や自営業者が利用できる)を使うことで、自分の老後のための積立額が所得税・住民税を軽減させ、運用は非課税、受取時も退職金みなしの優遇税制を使ってお金を貯められます。

5つの仕組みのうち、おすすめはどれ?

さて、一気に5つのしくみを紹介してきましたが、どれにしようか悩んでしまいそうです。ヒントをいくつか紹介しましょう。

まず、「預貯金」か「投資」かという違いで考えると

・預貯金で貯めるのが「積立定期預金」「財形貯蓄制度」
・投資を行うことになるのが「積立投資信託」「社内持ち株会」
・どちらも選べるのが「確定拠出年金」です。

あなたが制度を利用してお金を貯めると、会社が奨励金(補助金)をつけてくれる場合があります。これはその分利息がついたようなものですから、優先的に使いたいところです。

・奨励金があり得るのは、「社内持ち株会」「財形貯蓄制度」です(奨励金ゼロの場合もあるので詳しくは社内で確認を)。

税制上のメリットがある場合、税金がかからない分、手元に残るお金が増えるわけですから、これは優先利用するべきです。

・積み立てるほど目の前の所得税や住民税が軽くなるのは「確定拠出年金」(ただし60歳まで原則受け取れないことに注意)。

・運用の利益(利息)が非課税になるのが「積立投資信託(NISAを使った場合)」「財形貯蓄制度(住宅・年金)」「確定拠出年金」。

・なお、「確定拠出年金」は最初も途中も非課税になるので最後の受取時に課税されるのですが、実質的には非課税になる可能性が高いです(退職金と同等の優遇税制があるため)。

結論としていえば、使えるものなら「確定拠出年金」を使い、預金ベースなら「財形貯蓄制度」を、投資ベースなら「積立投資信託(NISA)」を使うのがお得、ということになります。

今年は何もしなくてもお金が貯まる人になろう

どのしくみを選んだ場合であっても、指定した日に指定した金額が引き落とされ、お金を貯めていくしくみです。

しかし「最初の手続き」だけは自分でしなければなりません。手続きをしない限り、どんなよい制度も積立をスタートしてはくれません。当たり前ですね。

最初の申込書類(毎月の積立金額や引き落とし日、購入商品などを決める)を書くのはちょっとした手間です。しかし、そこさえクリアできればあとはずっと自動的にお金を貯めていってくれます。

こういう面倒ごとは「思い立ったら吉日!」とばかりに行動に移してしまうことがおすすめです。ぜひ、今月のうちにサクッと手続きをして、「何もしないのに、勝手にお金が貯まる人」になってみませんか?