観光地として、ベトナムはコスパが最高。

写真拡大 (全5枚)

「エアコンをこまめに消すと逆効果」という話、聞いたことありません? エアコンをつけっ放しにした場合、消費電力はほぼ変わらない。一方、こまめに消した場合はつける度に消費電力が跳ね上がる。そんな情報を耳にしたことがあります。節電してるつもりが、逆に電気代は上がっているという。
話は変わって、旅行について。「資金が少ないから、節約して国内旅行にしようか」なんて考えたものの、実は海外旅行の方が安くつく。……行先によっては、十分有り得ます。

そこで、このデータを見てみましょう。オンライン旅行サイト「エクスペディアジャパン」は、国内と東南アジアを対象に「観光コスパ(以下KCP)対決」を実施しています。「タクシー」、「電車」、「グルメ」、「宿泊」、「リラクゼーション」等のカテゴリーごとに各国のコストを算出し、ランキング形式で紹介しているようです。

では、まず「LCC」カテゴリーから。各国LCC(格安航空会社)の1km当たりにかかる運賃を調べてくれました。すると、どうも東南アジア各国は高くても20円以下という結果になった模様。特に香港においては、1km当たり7円しかかからないというお得っぷりが明らかになりました。香港からバンコクまでの距離は約1730kmなので、実質12,000円程度で到着できてしまいます。
逆に日本でのLCC料金で1730kmの距離を移動すると約6万円になってしまい、香港と比較すると約5倍に。そうでしたか……。

続いては、「ホテル宿泊費」カテゴリーを。各国の5つ星ホテル1泊の平均値段を比較したところ、1番コスパが良かったのはベトナムの12,540円。日本の5つ星ホテル1泊分の予算(41,400円)で、3泊できる計算になります。
また、ベトナム以外の東南アジア各国も日本の半額以下での宿泊が可能で、長期の滞在となるとさらにその差は開くようです。

ここからは、ざっと見ていきましょう。「電車運賃」1区間のチケット料金のコスパ1位は、ベトナムの24円。一方、皆さんご存じの通り、日本の初乗り運賃は160円。ベトナムの7倍です。
「タクシー」の初乗り運賃で比較すると、良コスパ1位はインドネシアの51円で、日本はその14倍の710円。
「食事代」カテゴリーは、コース2人前の平均料金を算出しました。ここでのコスパ1位はベトナムの1,457円で、日本は5,000円。日本の1食分で、ベトナムでは3食できるというわけです。
「ビール」500ml当たりの平均金額だと、コスパ1位はベトナムの87円。日本は500円。日本での料金を出せば、ベトナムでは5杯飲めます。
最後に、「マッサージ」カテゴリーを。1時間の料金で比較すると、ベトナムは2,910円。日本は19,000円。日本での料金を出せば、ベトナムでは6時間マッサージをしてもらえます!

どうでしょう。各地の観光にかかる費用を比較してみると、特に足回りで大きなコスパ差が生まれていることが判明しました。東南アジアは電車・タクシーなどの初乗り運賃がかなりの低価格となっており、日本のコスパの悪さが目立ちます。というか、全てにおいて日本は低コスパになっており、必然的に必要予算がふくらんでしまうのですね……。
では、全体的に見てみましょう。KCP総合ランキングでは、ベトナムが1位、次にマレーシア、タイが続く結果となったようです。対して日本はあらゆる面で低コスパであることも明らかになりました。最も高コスパのベトナムにいれば、日本の約1/4程度の予算で同じような体験ができる計算になります。

日本政府観光局(JNTO)発表の「2009年〜2013年各国・地域別日本人訪問者数」によると日本からベトナムへの渡航者は年々増えており、2009年の356,700人に比べ2013年には604,050人と1.5倍以上に膨れ上がっています。
またこの調査では、タイが2010年以降3年連続で10%以上の伸びを記録しており、近年注目が集まっていることもわかります。
これらランキング結果には、特に「5つ星ホテル」の価格差がランキングに大きな影響を与えているのだそう。世界基準で決められている5つ星ホテルの値段も、国によって異なることがわかります。

長期旅行や抑えた予算でぜいたくを楽しむのであれば、思い切って東南アジアまで足を伸ばしてしまうのが賢い選択かもしれません。
(寺西ジャジューカ)