高市政権が財政目標を転換、収支より「稼ぎ」重視する狙い

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 Q 財政目標を変えたのはなぜ?

 A これまで政府はプライマリーバランス(基礎的財政収支=PB)といわれる指標を重視してきたんだ。

 みんなから受け取った税金で、公共工事や住民サービスなど1年間に使うお金を賄えているかがわかる指標で、政府が目指してきたのは年間の収支を黒字にすること。家計に例えると、お父さんやお母さんの給料で、年間の生活費を支払えている状況に近いね。

 でも、高市首相は年間の収支にはこだわらない方針なんだ。首相はこれから成長しそうな半導体やロボットなどに重点的にお金を使おうとしているから、収支を気にしすぎると大胆に投資できないよね。代わりに「債務残高対GDP比」を下げていくことを新たな目標にしたんだ。

 Q どんな指標なの。

 A 日本全体(国と地方)で抱える借金は、今年の年末時点で約1385兆円に上る見込みで、これが「債務残高」。一方、日本のみんなが1年間働いて生み出したお金(価値)の合計は678兆円で、これが「GDP」となる。

 「債務残高対GDP比」というのは、国全体の借金がその国の1年間の稼ぎに対してどれぐらい大きいかを表す比率なんだ。日本の状況を式で表すと、「1385兆÷678兆×100=約200%」。稼ぐお金の倍の借金があることになるね。先進国ではイタリアが138%、米国は126%、ドイツは65%となっていて、日本は世界全体でも最悪の水準にあるんだ。

 Q どうやって比率を下げるの。

 A 首相は成長分野にお金を使うことで、将来の稼ぎを増やして、比率を安定的に引き下げるつもりだよ。先ほどの計算式を見てみると、借金が増えたとしても、それ以上に稼ぐお金が増えれば比率は下がるよね。家計でいうと、好きな車や家を我慢してランクを下げるのではなく、給料アップにつながるよう仕事のスキルを高める自己啓発に先行投資するようなイメージかな。

 でも、政府による投資が経済成長にどの程度結びつくかはわからないから、この目標だけでは危ういと考える人もいるよ。

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