今年2月までは大学進学一本だった…“遅れてきた大型レフティ”大空星那にJ1清水が惚れ込んだ理由。転機を経て夏の全国舞台へ
7月19日、J1清水は神村学園に所属するDF大空星那(3年)が27年1月から加入すると発表した。ポテンシャルは抜群。運動能力が高く、経験を積んでいけば、大化けする可能性はある。
メディアリリースで反町康治GMも、「センターバック・サイドバックを器用にこなし、精度の高い左足でのキックから大きく局面を変えたり、ピンポイントクロスからチャンスメイクするなど、攻撃のクオリティはとても高いものを持っています。また、上下のアップダウンが出来る豊富な運動量もストロングポイントで、守備時の競り合いの強さと上手さも特筆すべきポイントです」と大きな期待を寄せた。
2年次までは出場機会に恵まれず、昨季のU-18高円宮杯プレミアリーグWESTでも出場は6試合のみ。DF荒木仁翔(現いわき)が圧倒的な存在感を左サイドで放っていたのも影響し、バックアッパーという位置付けから脱却できなかった。だが、チームを預かる有村圭一郎監督は言う。
「荒木が去年良かったから。でも、運動量があってサイズもある。評価はしていた。ポテンシャルは持っていた。でも、おとなしい感じがあって、発信したり、プロに行く選手として自覚を持ってやれるかどうかがポイントだった」
期待値は高い。実際に今年2月にはU-17高校選抜の活動に参加するなど、実績がなかったなかでも周囲からもポテンシャルを買われていた。
本人としても高校ラストイヤーに出場機会を伸ばし、少しでも上の大学でプレーすることを念頭に努力を重ねていきたいと考えていた。だが、自身のサッカーキャリアを大きく左右する出来事が起こる。それが2月終わりに清水から届いた練習参加のオファーだった。
「高校選抜の練習試合を見てくれていたと言われた。本当にびっくりしました」
実際に練習参加をして手応えを掴み、自信を深めたことは成長スピードを加速させるうえで大きな意味を持ったという。
「もっとできないと思っていたけど、自分のクロスとかは味方に合わせられたのでできたところもあった」
もちろん課題も多く、守備の強度などは改善の余地を残す。当時清水でキャプテンを務めていたMF宇野禅斗(ボルシアMG)から学ぶことも多かった。
ただ、実際にオファーが届くかどうかは別の話。大空自身も高卒プロは考えておらず、卒業後の進路は大学一本に絞っていた。しかし6月にオファーが届き、プロ入りを即決。2月までは高卒プロをまるで考えられなかった大型SBは、自らの足でプロ入りのチャンスを掴み取った。
7月25日からスタートする高校最後のインターハイ。前年度王者の神村学園は26日に佐賀東(佐賀)と西京(山口)の勝者と対戦する。
大空への注目度が高くなるのは必然で、今後はプロ入りが決まった選手として見られるのは間違いない。そのプレッシャーのなかでどんなパフォーマンスを見せるのか。遅れてきた大型レフティの活躍から目が離せない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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