近年、東京23区の新築・中古マンションの価格高騰が止まりません。一般のファミリー層にとっては「高すぎて手が届かない」という異常事態が続くなか、市場である変化が起きています。

東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した2026年4月度のサマリーレポートによると、東京23区の新築・中古戸建ての成約価格が大幅に上昇し、過去最高を更新しました。これまでマンション派だった人たちが、こぞって「戸建て」にシフトしているというのです。

今回は、らくだ不動産株式会社の執行役員・エージェントの八巻侑司さん、そしてチームリーダー・エージェントの鈴木成禎さんの2名が、この最新データをもとに、いま23区で戸建てが選ばれている理由を徹底解説します。

◾️データが示す23区「マンション」と「戸建て」の明暗
まずは2026年4月度のレインズデータから、東京23区の市場動向を振り返ります。

・中古マンション
成約件数は1,635件で、前年同月比マイナス9%と下落しました。前年(2025年)の取引が活発すぎた反動もありますが、動きとしてはやや落ち着きを見せています。しかし、成約平米単価は約137万円と、前年同月比で10%も上昇。依然として高値づかみの状況が続いています。

・戸建て
成約件数は323件で、前年同月比マイナス9%となりましたが、注目すべきは価格です。成約価格の平均は約8,200万円となり、前年同月比でなんと約20%もの驚異的なプラスを記録しました。

成約件数自体はどちらも前年より減少しているものの、価格の伸び率、特に戸建ての20%増という数字は、市場の強い需要を物語っています。

◾️「高すぎるマンション」を諦めた人が、戸建てに流れるワケ
なぜ、これほどまでに戸建ての価格が急上昇しているのでしょうか。

八巻さんは、購入者のリアルな「マインドの変化」を指摘します。

「23区内のマンション、特に湾岸エリアなどの人気物件は、一般の会社員夫婦がペアローンを組んでも届かないレベルまで価格が上がってしまいました。利便性は魅力的ですが、毎月40万~50万円もの返済を抱え、さらに将来の修繕積立金の値上がりリスクまで負うのは現実的ではない、と考える人が増えています。その結果、『同じ予算を出すなら、管理費や修繕積立金がかからず、土地が資産として残る戸建ての方が合理的だ』と、マンションを諦めて戸建てにシフトする動きが急速に強まっているのです」。

◾️「新築」ではなく、あえて「中古戸建て」が選ばれる理由
さらに、戸建てのなかでも「新築」ではなく「中古」を選ぶ人が増えています。ここには建築業界を取り巻くコストの問題があります。

鈴木さんは次のように解説します。

「現在、人手不足や原材料・燃料費の高騰に加え、いわゆる『ナフサショック』の影響で、住宅設備の部品やプラスチック資材が不足しています。そのため、新築戸建てを建てようとしても予定通りに工期が進まなかったり、引き渡し直前に価格が上がったりするリスクがあります。

その点、中古戸建てであれば『すでに建っている実物』を見て、日当たりや周辺環境、実際の建物の状態を確認した上で安心して購入できます。予算を抑えつつ、自分たちの好みに合わせてリフォームして住むという選択が、今の時代に非常にマッチしているのです」。

【まとめ】
東京23区の戸建て価格が過去最高を更新した背景には、マンション高騰によって「家選びの基準」を変えた人たちの切実な選択がありました。

しかし、中古戸建てはマンション以上に「建物のコンディション」や「リフォーム費用」の個別差が激しいため、見た目の綺麗さだけで選ぶと大きな失敗に繋がりかねません。

らくだ不動産株式会社では、八巻さんや鈴木さんをはじめとするプロフェッショナルが、物件の資産価値からホームインスペクション(住宅診断)の必要性、無理のない資金計画までをトータルでアドバイスしています。「マンションだけでなく戸建ても検討したい」「資産価値の落にくい戸建ての選び方を知りたい」という方は、
ぜひ一度お気軽にご相談ください。