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今、お寺や神社など宗教法人の売買が相次いでいる問題。脱税などに繋がると国も警戒を強める中、私たちはある宗教法人のブローカーに接触。実態を取材しました。

【写真を見る】脱税・マネーロンダリング目的の恐れも…売買される寺や神社 宗教法人のブローカーを直撃 国も警戒する取引の実態

「このサイトは非公開サイトです」
「新着宗教法人 札幌市 6000万円 購入後放置プレイでオーケー」
「宗教法人を新規につくれる権利1500万円」

画面に並ぶ日本全国の寺や神社の名前に、何千万円もの取引額。中には、東海地方の寺も…

「愛知県豊田市 3億円」
「岐阜県中津川市・土地建物付き 2億円 リニアモーター新幹線で駅ができるので観光地化。地価が上がる可能性も」

このサイトでは、寺・神社・新興宗教など150もの宗教法人が売買されていました。

サイトを運営する“宗教法人ブローカー”を直撃

宗教法人は、お布施やお守りの販売などの収入も、土地・建物などの財産も基本非課税で、年収8000万円までなら収支報告の義務もないなど、税制面で手厚く優遇されています。

今、それを目当てにした売買が問題に。実態はどうなっているのか…サイトを運営する男性が取材に応じました。

(宗教法人ブローカー 山本隆雄氏)
「もう後継ぎがいないから売りたい、処分して金に換えたいという人。あともうひとつは借金の“カタ”。(寺が)借金が返せなくなって宗教法人を売らされた人」

大阪で宗教法人のブローカーをしているという山本氏。買い手の思惑について、こう話します。

(山本氏)
「ここに来るほとんどの人は、宗教やりたいとは思ってない。買い手のメリットは色々ある。相続で使いたいとか、脱税・節税に使いたいとか。どういう目的かは聞きますね。露骨に『脱税』と言われたら売れない」

悪用すれば“脱税”も… 税制上優遇されている宗教法人「売ったらダメという法律ない」

所得や違法行為で得た金銭も一旦お布施として宗教法人に入れてしまえば、実態が追えなくなり非課税になるなど、悪用すれば脱税やマネーロンダリングもできてしまう実態があります。

(山本氏)
「『売ったらあかんで』『捕まるで』と言われました。でも、どこ見ても『売ったらダメ』と法律がないんでね」

取引はすべて現金。領収書も発行しないと言います。

(山本氏)
「現金を広げて買い手が帰った後に(売り手と)お金を分ける」

そして、宗教法人を求めるのは日本人だけではないと言います。

(山本氏)
「中国人とか安いから6000万円で買って、『全部ブルドーザーで潰していいか』と」

山本さんは、買い手にはあくまで信仰のためであることを確認し、建物の適正な維持管理や住職を置くことなどを念押しすると言います。

サイトに掲載されていた「売り物件」を訪ねると…

サイトに掲載されていた施設を実際に訪ねてみると…誰もいませんでした。さらに別の寺でも、人は不在。草木が生い茂り、柱などがところどころ腐食も。

近くに住む人は…

(近隣住民)
「最近(参拝客の)出入りはあまりない。バブルがはじけてから(参拝客の)足が遠のいちゃった」

そんな中、また別の寺には住職とみられる人が。

(記者)「ネット上で売りに出されている情報が」
(住職)「本当ですか?それはまずいですね。出していないですし、消さないと」(記者)「全く心当たりがない?」
(住職)「ないです」

売りに出している事実はないと否定しました。

国も警戒 文化庁が宗教法人に実態調査のアンケートを

宗教法人の売買については国も問題視し、対策に乗り出しています。愛知県愛西市にある、550年の歴史を持つ「大法寺」(※売買とは関係がありません)。5月にある書類が送られてきました。

(大法寺 長谷雄蓮華住職)
「文化庁から、こんなアンケートが来た」

送り主は文化庁。内容は「宗教法人の売買に関するアンケート」。「宗教法人が売買されているのを聞いたことがあるか」「売買を持ちかけられたか」という質問が。これが全国の宗教法人に、ランダムに送られているということです。

(長谷雄住職)
「(自身が)兼務している寺を買いたいという方が3回くらいありまして。毎回お断りしたんですけれども、買いたいとアプローチされたことはある」

“寺の売却”一概に否定できない現状も「寺の数は本来あるべき姿の3倍」

さらには…

(長谷雄住職)
「『法人格の不正利用と思われることがあったら教えてください』『実際に目にしたことは書いてください』『後からヒアリングすることがあります』(国が)ここまでするんだなとビックリしました」

しかし、住職は国内の仏教の現状を考えると、売りに出すこと自体を一概に否定できないと話します。

(長谷雄住職)
「お寺の数というのは、本来あるべき姿の3倍だと言われている。今後 維持が難しかったら、たとえば売買でなくとも統合や廃寺というのはあって然るべき」

ブローカーにもアンケートが…「嘘書いても問題ない、罰せられないから」

そして、宗教法人のブローカー山本さんのもとにも、このアンケートは届いていました。

(山本氏)
「『看板やサイトを見たことがあるか』に『いいえ』ですね。『あったら教えてください』私のことやないかと」

Q.めっちゃウソじゃないですか
「めっちゃウソですよ。ウソ書いても問題ない、罰せられないから」

実は山本さん、自らも宗教法人を運営していますが、文字を印刷した紙を本尊として壁に貼り付けてあるだけです。

文化庁は調査をもとに約30法人のヒアリングへ 背後の“闇”は

(山本氏)
Q.罪悪感はない?
「ないですね。どんな目的か言ってからしか売らないので」

文化庁の担当者はCBCテレビの取材に対し、アンケートや聞き取り調査をもとに、今後、過去に責任者が頻繁に代わった約30の法人を対象にヒアリングを行うと明らかにしました。

(山本氏)
「(売買の)規制は無理やと思いますよ。区別がつかない、まともにやっている宗教法人といい加減な宗教法人では」

知らないうちに売買されている宗教法人。背後には、大きな闇が広がっています。