代表50試合に到達したベリンガムは結果を出せず。ガーナの堅守を崩せなかった。(C)Getty Images

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 試合後、イングランド代表を率いるトーマス・トゥヘル監督は、両手で顔を覆っていた。

 ガーナとの0-0は、イングランドにとって大惨事とは言えない。グループステージ第2節を終え、首位通過の可能性は十分に残されている。だが、ドイツ人指揮官のその仕草は、この試合の意味をよく物語っている。初戦のクロアチア戦で膨らんだ期待は、ガーナ戦で一度、現実に引き戻されてしまった。

 クロアチア戦のイングランドは実に痛快だった。特に後半は、前線からテンポ良く仕掛け、プレミアリーグの試合を思わせるスピード感と強度で相手を押し込んだ。決定機を次々と作り、4-2で勝利した後、トゥヘル監督は「パブで観戦しているファンを興奮させる試合だった」と満足げに語った。

 たしかに、初戦では新しいイングランドへの期待があった。慎重に、堅実に、リスクを抑えながら進む近年のイングランドではなく、より前向きに相手を倒しにいくチームに変わったのではないか。そう思わせるだけの迫力があった。

 しかし、ガーナはクロアチアとはまったく違う問題を突きつけた。クロアチアは前から来た。だからイングランドには背後やライン間にスペースがあった。

 ところがガーナは、深い位置で粘り強く守った。カルロス・ケイロス監督が率いるガーナは、イングランドにボールを持たせることを受け入れたうえで、自陣に強固な守備ブロックを築いた。イングランドのボール支配率は78%を超えたが、それは試合を完全に支配していたというより、ガーナの狙いの中でボールを持たされた数字に見えた。
 
 この試合のイングランドは、ボールを握った。ただ、横へ、後ろへ、また横へと、中央を固めるガーナの守備ブロックの外側をなぞる時間が長かった。ハリー・ケインが下がって受けようとしても、周囲のスペースは消された。ジュード・ベリンガムが背後へ飛び出す形も、クロアチア戦ほど機能しなかった。相手を崩すための幅、テンポ、意外性が足りなかった。

 スタジオ解説を務めたウェイン・ルーニーは、イングランドの問題点をこう指摘した。

「相手が低いブロックを敷いているなら、クロスを上げないと。守る側にとって非常に難しくなるからだ」

 さらにルーニーは、もっとプレーテンポを上げるべきだったとも語っている。イングランドは19本のシュートを放ったが、決定的に相手を揺さぶった場面は多くなかった。

 後半途中にブカヨ・サカが投入されると、ようやく攻撃に変化が生まれた。右サイドで仕掛けることで、イングランドは少しずつゴールへ近づいた。英BBC放送が「サカは途中出場ながら希望を与えた」と評したのも当然だろう。