休養した三木肇・前監督

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 東北楽天ゴールデンイーグルスは10日、成績不振のため三木肇監督が休養し、塩川達也ヘッドコーチが監督代行として同日の巨人戦(楽天モバイル)から指揮を執ることを発表した。新たな指揮官の下で再スタートを切ったが、チーム再建への道は険しいと言わざるを得ない。「楽天は球団フロントが選手の起用法に介入する」という情報が球界で出回っているため、来季の監督の選定は難航する可能性が高いとみられる。最下位に低迷し、現場にフロントへの不満が高まっている状況で、球団は空中分解の危機を迎えている。

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人工芝をむしり取る選手

 異例の展開だった。9日の巨人戦(楽天モバイル)に2−8で完敗を喫した後、「三木監督の休養」が球団から発表されたのは、日をまたいだ午前1時のこと。楽天はその時点で、21勝36敗1分けで最下位に低迷。交流戦でも2勝10敗の最下位に沈み、浮上のきっかけをつかめなかった。

休養した三木肇・前監督

 4日のDeNA戦(横浜)で7点差をひっくり返される大逆転負けを喫した際、投手交代の間、右翼を守る佐藤直樹が座り込んで人工芝の草をむしり取る姿が話題になったのがチーム状況を象徴していた。志半ばで身を引くことになった三木監督は、「シーズン中にこのような形となり、大変悔しく、不本意な思いであります。どのような時も支えてくださったファンの皆さまには感謝の思いでいっぱいです。これからの選手の成長と活躍を願っています。ファンの皆さま、選手のことをこれからもよろしくお願いします」と球団を通じてコメントを発表した。

「フロントに聞いてください」

 楽天は4年連続4位と優勝争いに絡めないシーズンが続き、今季は巻き返しを誓っていた。が、助っ人外国人選手たちが軒並み打撃不振で、救援陣も安定を欠き、苦戦を強いられた。楽天を取材するスポーツ紙記者は、三木監督の変化を口にする。

「明るい人柄で取材にも丁寧に対応してくれるのですが、今年は思いつめた表情を浮かべる時が多かった。フロントに対する複雑な思いもあったのでしょう。選手の起用法について聞かれ、『詳しいことはフロントに聞いてください』と漏らす時がありました。思い描く野球をできない辛さはあったと思います。三木監督に責任を押し付けるのは酷ですよ」

 チームは一体感に乏しかった。三木谷浩史オーナーが5月28日の中日戦(バンテリンドーム)で姿を現し、練習前にベンチで選手たちを激励した時も、冷え切った空気が流れていたという。

「選手たちは『オーナーは野球に興味ないでしょ』、『サッカーが好きなら、野球の現場に介入しないで欲しいですよね』と不満を口にしていました。負けが込むことで三木監督の求心力が失われていましたが、選手のフロントへの不信感は以前から強い。石井一久GMは18年の途中に就任していますが、結果を出せないシーズンがこれだけ続いても、まったく責任を取らないですしね。低迷期が続くのは必然です」(前出のスポーツ紙記者)

監督が目まぐるしく交代

 楽天は石井GMの就任以降、監督が目まぐるしく交代している。生え抜き出身で初の監督に就任した平石洋介氏は19年に3位と前年の最下位から立て直したが、1年限りで任を解かれた。翌20年は三木監督が2軍監督から昇格したが4位に終わり、2軍監督へ再び配置転換された。21年からは石井GMが監督に就任して3年間指揮を執ったが、3位、4位、4位と結果を残せず退任してフロントに戻った。24年は今江敏晃氏が就任し、交流戦で球団史上初の優勝に導いたが、終盤の失速で4位に終わると2年契約の途中で解任された。そして昨季から2度目の監督に就任した三木監督だが、昨年は借金7の4位に終わり、今年はここまで最下位に低迷すると、シーズン半ばでチームを離れることが決まった。

 他球団の元監督は、

「チームが成熟するには、少なくとも2年以上の時間が必要です。日本ハムの新庄剛志監督がいい例です。就任2年は連続最下位でしたが、チームを土台から作り直し、就任3年目から優勝争いしている。1年ごとに監督をコロコロ変えていては目指す野球の方向性が定まらないし、選手が育ちません」

首脳陣へのリスペクトが欠ける

 04年に創設と、球団の歴史が浅い楽天は当初は野村克也、星野仙一など名将を招聘した時代があったが、19年以降の監督人事はコーチや二軍監督などからの内部昇格が続いている。チームを再建するためには外部招聘も検討するべきだが、楽天OBは、

「楽天はフロントがスタメンや投手起用、1、2軍の選手の入れ替えに介入してくるというのは球界内で有名な話です。パリーグで優勝経験のある元監督は『楽天だけは監督のオファーがあってもやりたくない。現場の首脳陣に対するリスペクトが欠ける球団は誰がやってもうまくいかないよ』と話していました。塩川監督代行が来季も続投するのか、新たな監督をリストアップするのかが今後の戦いに掛かっていますが、外部から次期監督を選定するなら難航すると思います」と指摘する。

 楽天は選手の補強策を見ても、首をかしげるケースが目立つ。昨オフに前田健太を2年総額4億円規模の好条件で獲得したが、米国で投球をチェックしていれば衰えが顕著なことは明らかで、先発の軸として計算するのはリスクが大きかった。監督を入れ替えるだけではチームを変えられない。フロントの刷新、現場介入の見直しなど抜本的な改革を求められている。

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デイリー新潮編集部