幻の高級魚「城下かれい」がピンチ 漁獲量3分の1に激減、1匹2万円の異常高騰…老舗料亭も連日ヒヤヒヤ
大分県日出町が誇る高級ブランド魚「城下かれい」の漁獲量が、海水温の上昇などにより激減しています。この10年余りで3分の1にまで落ち込み、競りには数匹しか並ばず、1匹2万円にまで異常高騰する事態となっています。
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競りに並んだのはわずか5匹
26日早朝に行われた大分県漁協日出支店での競り。別府湾で水揚げされたばかりの豊富な魚種が並びます。しかし、日出町が誇るブランド魚の「城下かれい」は、この日わずか5匹でした。
漁師:
「本当はもっと捕りたいけど、おらんからどうしようもない」
他の魚に比べて圧倒的な高値で取り引きされ、最も高いものでは、1匹2万円の値がつきました。
県漁協日出支店 上野裕介支店長:
「最高値で1匹2万円でしたけど、もう少し価格が低くてもいいから、数がさばけた方がありがたい。日出町のブランドを考えたら、できるだけ多く人に食べてもらいたいです」
老舗料亭も連日ヒヤヒヤ
日出城の下、別府湾の海底から真水が湧き出る場所で育ち、そのおいしさから、かつては将軍への献上品となっていた「城下かれい」。冷たい海を好むマコガレイので、大分は生息域の南限とされています。
海水温の上昇などにより、漁獲量は年々減少傾向となっていて、2014年には1289キロだったのが、去年はわずか401キロ。10年余りで3分の1に減っています。
城下かれい料理を提供する「日出町的山荘」。皇室をはじめ、多くのVIPを迎えてきた老舗料亭です。旬を迎えた今の時期は、城下かれいを求めて連日ほぼ満席となる中、知り合いの漁師や漁協などのつてを頼りに何とか確保しています。
日出町的山荘 釘宮貴則料理長:
「これだけでも1週間もつかもたないかになりますね。今のところ予約の状況には間に合っていますが、ヒヤヒヤですね」
資源回復へ「緑色LED」救世主となるか?
城下かれいの資源回復に向けて、日出町では中間育成に取り組んでいます。海の中での生存率を高めるため、稚魚を5センチ程度にまで育て、年間4万匹を別府湾に放流しています。
さらに、去年から試験的に導入しているのが緑色のLEDライト。ヒラメの養殖などに活用されている技術で、カレイでも成長の促進効果が確認できたといいます。
日出町農林水産課 安立太郎さん:
「緑色のLEDをあてることで、餌をよく食べるようになり、1.3倍ほどの大きさに成長することが確認されました。城下かれいを食べる文化を維持するのは、日出町にとっても非常に大切だと思っています」
「城下かれいフェア」開催
旬に合わせて日出町では現在、「城下かれいフェア」が開催されています。漁獲量の減少により、手ごろな価格で多くの人に提供する「賞味会」という形はとれなくなっていますが、町内の3店舗で6月末までの期間中、コース料理などが味わえるフェアという形をとっています。
日出町的山荘 釘宮貴則料理長:
「今が一番旬で脂が乗っていて、一番おいしいと思います。一度食べてみたらわかると思う。予約される方は早めに連絡をもらいたいです」
江戸時代から続く日出町の特産「城下かれい」。その食文化を後世に受け継ぐため、資源回復に向けた地道な取り組みが続きます。

